マイクの管理人さんの違法マイク狩り

４２本目 ページ44

帝統がエレベーターを出る。




扉が閉まる。





…。




抱き着かれるなんて…。



少し、少しだけ厚くなった頬に手を当てるが我に返る。


目的地の４４階の上、４５階のボタンを急いで押した。





そしてエレベーターをこじ開けるように降りると横の非常階段から４４階へ駆け降りる。


今はさっきの帝統の行動なんて考えている暇はない。


ただの気の迷いだろう。


密室で男女があそこまで接近すれば…。


うん、帝統くらいの男性ならありえなくもない。



そんなよくわからない理論で自分自身を押し込めると４４階の廊下を覗き込む。







すると…



『！！』



帝統「ここか…。」



そこには、まさにターゲットのいる４１５号室の扉をノックする帝統がいた。




帝統…！


相手はレベルＡの実力者…。

さすがに危ない。



私は扉に吸い込まれた帝統を追うように扉の前へ立つ。



そして恐る恐るのぞき穴を覗き込んだ。




ぼんやりと見える帝統の後ろ姿。


帝統が知り合い意外とかかわる理由はただ一つ。





ギャンブルだ。




かけているものはよく見えないけれど…





防音なのが恨めしい。




さて、どこで入るか…。






扉の前で考えていると



帝統「うがー！！負けたー！！！」




そんな防音の部屋の中から扉を突き抜けて帝統の声が聞こえてきた。

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