嫌味な先生 2 (和牛:水田さん) (ページ3)

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[Aサイド]

亜生『ほんま恥ずかし…ごめんな、
初めてがこんなカッコ悪くなってもうて』

と少し困ったように微笑む亜生くんに

『………ううん、大丈夫だよ』

と返すと、
そのままギュッと抱きしめられた。

私は亜生くんの背中に手を回した。

やっぱ……無理なんだ。

こうして毎日
亜生くんと一緒にいても、キスしても…

頭の中は水田先生の事でいっぱいになって
気持ちを消そうとすればするほど
どんどん強くなっていく。

どんなに足掻いても、
気づけば先生の姿を探してる。

こんな気持ちで亜生くんと一緒にいるなんて

やっぱり最低だ…

もう、どうなったっていい。

こんなに素敵な亜生くんを
私1人の問題に巻き込みたくない。

『亜生くん……ごめん。』

亜生『………なにが？』

と、柔らかくて優しいその声は
私の中の罪悪感をさらに強くした。

『私……実は……その……っ…私……』

亜生『ええよ。』

その言葉に驚いて、
咄嗟に亜生くんの顔を見た。

亜生くんの目には

今にも溢れ出しそうなほどの
涙が溜まっていた。

ねぇ…なんで？

なんでそんな……

……もしかして

…知ってたの……？

『…え？…………なんで…？』

亜生『分かるに決まってるやん。
ずっと好きやったんやから。

下手したら、Aの親より
Aの気持ち読み取るの上手いかもww』

と無理やり笑って、
こんな時まで私を気遣ってくれた。

笑った時、
亜生くんの目に溜まっていた涙が
ポロッと零れ落ちてしまった。

亜生『ふはっ……ごめん…
最後までこんな…ダサくなってもうて…

今まで…ありがとうな、A。』

『亜生くんといて……楽しかった…
いつも笑いかけてくれて…嬉しかった…

ごめんね、
こんな…私を好きになってくれて…

ありがとう………』

亜生『うん……

ほら、そんな目ぇ擦ったら腫れるから。
保健室で氷貰ってはよ冷やさんと。』

『うんっ……分かった。』

亜生『ん、じゃあな。A。』

『うん、じゃあね。亜生くん。』

保健室に向かう為に反対方向へ歩き出す。

亜生『あ、A！』

『………？』

亜生『………俺、諦めたわけちゃうからな！

………いつでも…待ってるから。』

『………うんっ…ありがとう。』

ありがとう、亜生くん……

……

ｶﾞﾗｶﾞﾗ…

川西『お……って何！？え！？どしたん！？』