冬の日 マフラー 降谷さん� �光音さまリクエスト＊ ページ22
都内の某ターミナル駅。
通勤通学の人々が行き交う雑踏の中、私はようやく先輩を見つけた。
「Aさん。2分の遅刻。社会人として時間は厳守しなさい」
――すみません。私は頭を下げる。
今日も迷惑をかけてしまった。
「でも、君なら許してあげないことは無いが」
「え? 今なんて」
「敬語、忘れてるよ。全く……」
行きますよ、と先輩に腕を掴まれて、私達は人波に逆らうように目的地へと向かう。
腕を掴む力はとても強い、しかし、その力強さがいつもの優しさとギャップがあっていいな、なんて思う。
――私、結城Aは春からとある大企業の営業として働いている。
半年以上経つのに、この仕事には未だになれない。
先輩――降谷さんに、沢山迷惑をかけてしまっている。
頭を下げさせてしまった数、納期に間に合わなかった数、ノルマに達しなかった数……本当に申し訳ない。
私なりに頑張ってはいるが、このご時世でこの不景気。どうも上手くはいかないんだ。
反対に降谷さんは社長や代表取締役にも一目置かれるバリバリの『使える』社員だ。
イケメンだし、仕事もばっちりこなすし、女性の先輩からも人気があって。
そんな先輩と田舎娘の私なんかがペアを組むなんて思いもしなかったわけで――
「……い、おい、おーい。A。聞いてるか？」
「っ! すみません、何でしたっけ?」
「最初から聞いてなかったのか。まず一社目なんだけどプレゼンのここの箇所と――」
メモを取ろうとすると、降谷先輩は少し喋るスピードを落として気を配ってくれる。
それでも情報量が多い。てんやわんやになってしまう。
「ここまでいいか？ 最後のココなんだけど――」
≪――この先、大きく揺れる箇所にご注意ください≫
先輩の声がアナウンスでかき消される。そして電車がぐらりと揺れた。
慣性の法則と超満員電車でうまくバランスを取れず、私は倒れそうになる。
「あぶないっ……。大丈夫か?」
「す、すみません、続けてください」
「いや、周りにも迷惑だろうし。一回ここでやめておこうか」
先輩は資料やなんやらをすべて鞄にしまい、徐に私の背中に手を伸ばす。
「え」と困惑すると、優しく笑って「こうした方が安全でしょう？」と抱き寄せた。
先輩の胸の辺りに、私の顔が当たる。
コートのふさふさと先輩の香りが鼻に当たってなんだかくすぐったい。
電車がまた揺れるとより一層強い力で抱きしめられる。
――このまま降谷先輩の胸の中にいられたら。
なんて思ってしまう。
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アニオタ - やばいやばいやばい！！快斗くんやばい…っ！！！ (2018年6月3日 23時) (
レス) id: e9f436c148 (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - 桜の花びらさん» 深夜にレス失礼します。この作品の続編にリクエストを投稿しましたので、お時間のある時にご覧いただければと思います。リクエストありがとうございました。 (2018年1月20日 2時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - ひよこさん» よかったです〜〜！ ぜひぜひ何度でもしてください〜〜！ 私も楽しかったです〜〜！！！ (2017年12月15日 23時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - イヲハさん» ありがとうございます！！すごく面白かったです感動しました！ほんとに私が想像していたスコッチでした（n回目）またリクエストすると思いますがよろしくお願いします！笑そして昨日楽しかったありがとう〜 (2017年12月15日 6時) (レス) id: 7e626f0eed (このIDを非表示/違反報告)
イヲハ(プロフ) - シルビアさん» 深夜にレス失礼します。コメントありがとうございます。修正しようと思っていたのを忘れていました^^; ご指摘ありがとうございます！！ ありがとうございます、頑張ります！！ (2017年12月15日 1時) (レス) id: da7fe4e2aa (このIDを非表示/違反報告)
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