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グレイ「ハァ…
まぁ、よい。
…とにかく私は「神の身として改めて神の目線に立ってみたかった」ということなのだよ。
このビルはそれを試す庭園のようなものだ。
B7に置かれた人間はその観察対象に過ぎない。
そして試練と裁きを与えるには天使の手が必要だった。
それは人を殺めることに抵抗がない者が適任だった。」
グレイ「ダニー、エディ、キャシー
……そしてザック、お前だ。
ただお前は…
他の者とは違っているかも知れぬと思っていたがな。」
ザック「……あぁ?」
グレイ「お前はあまりにも無垢で無知なる者だった。
人を殺すことか知れぬ……純粋な者。
だからこそ、私を君を
天使でいさせようと思っていたのだよ。」
ザック「ーーーーーーーーー。」
グレイ「…しかしザック、お前は今ここのルールに反して生贄となりここから出ようとしている。」
ザック「んだよ、やっぱ殺す気かよ。」
グレイ「だから話を聞かぬか!」
おぉおお…
めったに怒らない人が怒ったら怖いな…
ザックも珍しくビビってる…
ザック「……。」
グレイ「…そうではなくてだな。
外に出たいはずのお前が今や、"レイチェル・ガードナーと共に"出ようとしているように見えてな。
それが何故かを知りたくなったのだ。
____つまり、観察対象が"お前たち"に変わったのだよ。
まぁ、約一名巻き込まれたみたいだが。」
はーい。
巻き込まれましたー。
ザック「……どっちにしろわけ分かんねぇよ…」
グレイ「あぁ、今はそれで構わんさ。
私もお前が口で説明できるとは思ってはおらん。
それに私の観察も終わっていないのだから答えはまだ
出んだろう。」
ザック「…全部見てるっつーのかよ。
えぇ?神父さんよぉ。」
グレイ「そのつもりだったが___気に食わぬならそれは詫びよう。」
ザック「くだらねぇ。
謝られたってなんの足しにもなんねぇよ。」
グレイ「あぁ、そういえば。
ダニーが課した問題を問くことはお前の性にいささか合ってないな……
ことが進まないのもつまらないからな。
手を貸してやろう。」
そういうと神父様は何かのカードをザックに渡した。
"ガードナー"と書かれたカードだ。
グレイ「このネームプレートには男女の名前が書いてある。…おそらく夫婦だろう。
これをドアにかければ反応が返ってくる。」
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作者名:春猫 | 作成日時:2020年12月11日 19時