[第32話] 目覚め ページ6
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_____ｺﾞｫｵｵｵｫｯ…
早く、全てを終わらせよう。
____ﾋｭｯ、ﾊﾟｷｨｨｲﾝ…
ナイフを降ると、空間で何も無かった、火しか上がっていなかったところが全て無くなった。
ｸﾞﾚｲ｢……ｯ…｣
私が降ったナイフは神父のお腹を切っていた。
ｸﾞﾚｲ｢……なぜ、
なぜ目覚めた……！？｣
ﾚｲ｢このフロアのおかしなことは全て幻覚…
あなたが私の心に見せたもの。
…"私の神様"が目を覚まさせてくれた。｣
ｸﾞﾚｲ｢…あぁ、君の中の魔女を浄化できなかったのだな。｣
ﾚｲ｢私は魔女じゃない。
だって契約書なんてしてないもの。
____誓いがあったの。
それは"私の神様"からの誓いよ。｣
ｸﾞﾚｲ｢……そうか、君という魔女はそう考えるのを選んでしまったか。
それが間違いであろうと、嘘で塗り固めたものであろうとお前は構わないのだな…｣
ﾚｲ｢ねぇ、それより…｣
____ﾋﾟﾀ…
私は神父の首元にナイフをすれすれに当てる。
ﾚｲ｢早く薬をちょうだい。｣
ｸﾞﾚｲ｢……。
己しか愛せぬ哀れな魔女よ……
…ついてきなさい。｣
……
ｸﾞﾚｲ｢この奥にある。｣
ﾚｲ｢じゃあ先に行って。｣
ｸﾞﾚｲ｢なぜだ？｣
ﾚｲ｢だってザックは寝ているから、あなたが何をするかわからないもの。｣
ｸﾞﾚｲ｢…そうか。
……この棚に薬を置いてある。｣
ﾚｲ｢よかった…｣
これがあれば……
きっと少しはよくなるはずだ。
私はポシェットに薬をいくつか入れた。
ﾚｲ｢……ありがとう。
私、ザックのところに戻る。｣
ｸﾞﾚｲ｢待ちなさい！！
君は私を殺していかないのかね？｣
ﾚｲ｢……どうして？｣
ｸﾞﾚｲ｢君には新しい神がいるのだろう。
複数の神の存在はいざこざを生むものだ。
それに君は慈悲深さなどないはずだが。｣
ﾚｲ｢あなたは私の邪魔をするの？｣
ｸﾞﾚｲ｢ｰｰｰ…｣
ﾚｲ｢そうじゃないならそんな必要ない。
____だって…
あなたは＿＿＿＿＿いらないから。｣
ｸﾞﾚｲ｢……そうか。｣ﾆﾔ…
ｸﾞﾚｲ｢なら最後に一つだけ忠告しておこう。
神というものは嘘つきや穢らわしいものは嫌いなのだ。
もっとも君の言うそれが"本当に神ならば"の話だがな。
レイチェル・ガードナー。
……すぐにボロがでるぞ。｣
ﾚｲ｢……あぁ、夢女のことだけど…｣
ｸﾞﾚｲ｢彼女はちゃんとエレベーターで会うようにしてやろう。｣
ﾚｲ｢…そう。｣
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作者名：春猫
| 作成日時：2020年12月4日 12時
