[第30話] 開廷(前編) ページ12
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これはレイチェルが裁判にかけられる少し前のお話…
___ﾁｬﾘ…
『……』
私のカバンから出てきた私の宝物。
ｸﾞﾚｲ｢それはなんだね？｣
『私の…宝物です。
後は、この夜光石のブレスレットも宝物です。
小さい頃から…ずっと持っていた…』
指輪だ。
私無くさないようチェーンに通している。
ｸﾞﾚｲ｢少し見せてはくれないか。｣
『……いいですけど、普通の指輪ですよ。』
ｸﾞﾚｲ｢ふむ…この裏の｢H.H｣とはなんた？｣
『多分、名前だと思います。』
ｸﾞﾚｲ｢"思います"？｣
『それ、いつもらって誰に貰ったのか。
全然覚えてないんですよ…』
ｸﾞﾚｲ｢…そうか。｣
___ぶわっ、
『あ、れ……？』ﾄﾞｻｯ
ｸﾞﾚｲ｢眠っていなさい…良い夢を。｣
ーーーーーー
女の子｢多分、もう遊べなくなる…。｣
？？？｢何で？｣
女の子｢ここに居なくなるから。｣
『私はまだ遊びたりないよー！』
？？？｢そうだよ、そんなのヤダよ。
どこに行っちゃうの？｣
女の子｢分からないけど。
でも明日からは来ないでね……。
もう、さよなら。｣
？？？｢いやだ！いやだ、いやだ！
そんなの絶対やだよ！｣
『そーだよ！』
女の子｢……ありがとう。
私、嬉しいよ。でも、今日はもう帰ってね。
もう暗いし、危ないからね。｣
？？？｢帰ったらもう会えないんでしょ……？｣
女の子｢……そうだね……。｣
それから、森へ何回も行ったっけ。
ーーくんと一緒に。
でも、結局会えなかった。
そう、会えないまま私の帰国が決まって、ーーくんとお別れの日がきたのだ。
……
？？？｢もう、お別れ…？｣
『そうなんだって…』
？？？｢俺は夢女とバイバイしたくない！｣
『私だってーーくんとはお別れしたくないよぅ！』
『でも…ｯ……パパが…』ｸﾞｽｯ、
この時、私は全然子供で泣いちゃってーーくん困らせちゃっただろうなぁ。
？？？｢…いつ、出発するの？｣
『明日……』
？？？｢…じゃあ今日、いっぱい遊ぼう！｣
『…うん。』
それからーーくんとは夕方まで遊んで、いつものように楽しんだんだ。
……次の日
ﾏｲｹﾙ｢夢女、そろそろ飛行機の時間だ。
乗り場へ行くぞ。｣
『……うん。』
？？？｢ｰｰｰｰｰｰ待って、夢女！｣
『！！
ーーくん！』
ﾏｲｹﾙ｢夢女、行っておいで。｣
『う、うん…』
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作者名：春猫
| 作成日時：2020年11月27日 7時
