ナナ ページ7
藤ヶ谷が降りた場所は
都内から離れた郊外の山の中。
暗闇の中を
ゆっくりゆっくり歩む藤ヶ谷の背中を
俺は追いかけた。
立ち止まったのは
辺り一面に広がる芝生。
芝生の先には 、キラキラと煌めく街並みが広がっていた。
地面に座り込んで
真っ直ぐ、目の前を見つめている藤ヶ谷の後ろ姿。
F「うるさい 。
無理なの、俺には」
突然口を開き、 横を見つめた藤ヶ谷。
…誰かと話してるのか？
その視線の先を辿ると
季節は冬なのに夏を連想させるような
白い薄手のワンピースに身を包んだ女の子がいる。
この世の人間とは思えないくらい
透明感のある可愛らしい天使のような女の子。
その子は、藤ヶ谷の隣に腰を下ろした。
E「もうあの日から3年よ。
それなのにあなたは
今でも恋人が亡くなったのを知らされたときと
同じくらいの量の涙を流してる。
あなたは前に進まないの？」
恋人が亡くなった… ？
F「 …泣いてないよ。
だって約束したから。
君だって見てたでしょ？
絶対思い出すって、言ってくれたじゃん。
大丈夫って俺は信じてるから。
…だから大丈夫、大丈夫。
俺は、前に進まずに待ち続けるよ」
藤ヶ谷の恋人が亡くなったって
どういうことだよ。
ましてや藤ヶ谷に恋人がいたことさえ
俺は知らないぞ…。
E「…さっきからこちらを見てる方がいるわね」
っ！！？
振り返って俺を見つめる女の子 。
F「…っ気付いてるよ。
北山…でしょ？」
なんで…なんで分かんだよ。
藤ヶ谷は一回も振り返ってないのに。
「 ……っ 。 」
何も言えずに、ゆっくりと藤ヶ谷の隣に腰を下ろす。
女の子は、いつの間にか姿を消していた。
F「どうしてここにいるの？」
俺を見つめる藤ヶ谷の瞳の奥が
ゆらゆらと揺れている。
「…悪い。
藤ヶ谷が…交差点で手を合わせてるとこ、見た」
F「なんだ、そういうこと 」
' 思い出してくれたと思ったのにな… '
そう、小さな声が聞こえた気がした 。
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ここ(プロフ) - 改めて読み返しましたがやはり切なく苦しいけど大きな愛で包む太輔さ んが大好きです。ハッピーエンドで良かったとまた思 いました。何度読んでも泣いてしまいます。素敵な作品ありがとうございます。新しいアカウントでの作品楽しみにお待ちしてます。 (2017年12月20日 1時) (
レス) id: ac7391eab1 (このIDを非表示/違反報告)
みっつん(プロフ) - 次回作、リアルがいいです！ (2017年4月7日 20時) (レス) id: 87dbec6d33 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - ハッピーエンドで良かったです(´;ω;｀)たいちゃん良かったね…と涙出ちゃいました。 (2017年4月6日 22時) (レス) id: 6b9cfbbed6 (このIDを非表示/違反報告)
な太郎(プロフ) - 初コメント失礼します！あけましておめでとうございます！！作品、読ませてもらってます。太輔さんとみっちゃんどうなるのかなって気になってましたけど、思い出したんですね！！なんか泣けてきて…これからが気になります。 (2017年1月2日 0時) (レス) id: 9981a80c76 (このIDを非表示/違反報告)
FKLove(プロフ) - 非常に切なくて泣きました。これからどうなって行くのか非常に気になります！更新楽しみに待ってます！応援しています！ (2016年12月24日 2時) (レス) id: 433e8b83c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ア :
作成日時：2015年4月12日 17時
