好きだ26 ページ27
胸が熱くなるのが分かる。
なんか、こう、ぐわわぁぁ〜〜!!!って。
及「すごい熱い絵だね。」
花「うん。すっげぇ気持ち伝わってくる。」
松「あぁ、芸術とか全然詳しくねぇけどこんなに絵って感動するもんなんだな。」
『、、、。』
みんなそれぞれ感想を言っているけど俺は絵に引き込まれたように呆然としてしまった。
あまりにも迫力のある絵に圧倒された。
?「おやおや?君はこの絵のモデルの子かえ?」
絵を前に立ち尽くす俺の前に現れたのはちっさい爺さん。
『あぁ、はい。そうみたいっす。』
?「ほーほー。素晴らしい絵じゃろ?あの子もだいぶ迷いながらこの絵を仕上げておったよ。」
及「あの、あなたは?」
?「うん?わしは彼女の教授じゃ。あの子がこの絵を仕上げるのをずーっと見ておった。」
こんな爺さんが教授?!
教授「今まで自分のハンデに対して消極的でずっと風景画ばかり描いていたあの子が突然人物画なんて描き始めるから何かと思ったが、、なかなかいい仕上がりじゃないかね?」
爺さんの言葉に彼女がずっと周りに声をかけられず人物画が描けなかったと言っていたのを思い出した。
その話を聞いたから俺がバレー部を見に来るように誘ったんだよな。
あの日からすべてが始まってこの絵の完成に繋がっていたと思うとまさに芸術とは運命であると難しいことを漠然と感じた。
教授「ほら、絵の前に立って。芸術家と言うのはシャイな者が多い。だから絵で気持ちを伝えるんじゃ。さぁ、君はこの絵から何を感じる?彼女は君に何を伝えたんだい?」
俺は絵をじっと見たあとに目を閉じる。
まぶたに映るのは美しい唄サン。
彼女が俺に伝えた気持ちは、、、
"私のハンデを一緒に背負って歩いてくれるでしょうか。
羽根が生えたようにすら見える跳躍力をもつその力強い手足で
私のハンデを抱えて飛んでくれますか??"
あぁ、彼女の音無き声が聞こえる。
当たり前だろ。
俺にそんな綺麗な羽根が生えてるかどうかは分からねぇけど、たとえ生えてなかったとしても好きな女くらい、唄サンくらい抱えて飛んでやる。
これからきっといろんな障害が俺達を襲うのかもしれねぇ。
お互いの声が聞こえねぇっていうのは大変かもしれねぇ。
それでも
それでも俺達は心で会話できる。
そう思った俺は唄サンが走っていった方へ全力で走り出した。
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作者名:晴雛 | 作成日時:2017年12月3日 4時