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八田襲来 ページ10

「興味……?そんなに面白味がある人間では無いぞ私は」

「いいや君は十分に面白い人間だと思うな俺は。澄ました顔しちゃいるが、君は自分の欲望にどこまででも忠実だ。自分の通したいことが通るなら手段を厭わない。そうだろ?」

「分かり切ったように言うじゃないか。欲望に忠実なのは君も同じだろう。強さの追及に固執してると聞いたが?」

「まあね。つまり俺達は似た者同士ってことさ」

「……君が言うことは全て妙に胡散臭いな。なにか裏がありそうに思えてしょうがない」


笑顔を一切崩さないその表情筋は尊敬に値するが、そうだな。


「君が笑顔以外の表情を見せてくれれば、信用しないこともない」

「それは笑顔以外の表情を俺が見せるまで傍にいるってことかい?」

「なぜそうなるんだ。頭がおかしいのか」

「だってさ。Aは確かストーカー対策のために俺と契約したんだろ?その割にまだ君の周りに男の影なんて俺以外一つもないけれど」


そうか。そういえば奴はまだ神威さんの前に姿を現わしていないな。


「店、出るぞ」

「どうしたんだい急に」

「いいから。見たいんだろ。君の恋敵を」


私の言葉に神威さんは「いいね」と口元を悪戯っぽく歪ませた。

適当に会計を済ませて二人で店を出る。
すると、やはり来た。


「Aっ!!」


鼓膜が破れそうなほど大きな声に思わずため息をつく。
そこには予想通りの男がいた。
今日も頭の悪そうな改造制服に頭の悪そうな汚い色の髪に頭の悪そうな図体だ。


「はぁ。やはり来ていたのか、お前」

「やっぱりとは何だよ。A、その男はなんだ」


頭の悪そうな男は何やら怒っている様子だが、とりあえず隣の神威さんに彼を紹介する。


「紹介するよ神威さん。ストーカーの八田だ」

「なるほど。コレがそうなわけか」


ストーカーもとい八田は「人のことコレとか言ってんじゃねえよ」と至極正しいキレ方をしている。


「A、昨日俺の事を捲いてどこ行ってたんだよ」

「この隣の男のところだ」

「あぁ?テメェ俺の女と何毎日会ってんだよ」

「なんだか彼は君の事を自分の所有物のように言ってるけど、君のことを彼女だとでも思ってるの?」


神威さんが半笑いで話しかけてくる。
「そうだ」と唸るように返すと、「ハハッ」と大層愉快そうに笑った。


「そりゃあ傑作だ。ね、A」

「?そうだな」


八田は何笑ってんだよと苛立ちを隠さない。
そんな八田をさらに煽るように神威さんは私の肩を掴んで引き寄せて堂々と言い放った。


「Aは俺の彼女だから」

差し出された右手→←再び失敗



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mire(プロフ) - お二方ともコメントありがとうございます!!すぐに返せなくてごめんなさい・・・最後までこの物語にお付き合いいただけると幸いです。 (2020年6月4日 15時) (レス) id: 6258a992b7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年5月7日 18時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
まほ - とても面白いです! 頑張ってください! (2020年4月21日 0時) (レス) id: 1d89b9509f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/  
作成日時:2020年4月7日 21時

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