本当にそう思う ページ38
あぁそうだ。忘れるところだった。
「実は、前から私は八田にストーカーされていてな」
「は!?」
「神威には、高杉晋助を私が彼の為に呼び出す代わりに、八田に私を諦めさせる為に恋人のフリをしてもらうという契約を結んでもらっていたんだ」
「ちょっと!!」
「どうした。そんなに取り乱して」
「そりゃあ取り乱すでしょ!?さすがのAでも目に余るっスよ!?晋助様に何させようとしてんスか!?」
「あ」
そうだ忘れていた。そういえばまた子さんは高杉晋助のことを崇拝しているんだった。
慌てて今は事情が変わっていることも加えて説明する。
「最初はそのつもりだったんだが、先日高杉君の話を振った時の君の取り乱し方を見て別の人間を用意する話になったんだ。その別の人間がまだ決まってないわけだが」
「前に私に相談しに来たのってその話だったんスか……そんな曖昧な条件になったのに、よくアイツ付き合ってくれてますね」
「私も本当にそう思う」
そんな私達の会話を聞いて、何故か神威は不機嫌そうだ。
なんでそんな顔をするんだ。全て事実だろう。
八田はそんな神威が面白いのか、フンと鼻で笑っている。直後神威の肘を食らっていたが。
「今阿伏兎を呼び出したから。来たらちゃんと二人から話を聞くからね」
「ぐ……分かった……」
あの話を神威の前でされるのか。本当の所は逃げ出したくて堪らないが神威の雰囲気から察するに矛先が阿伏兎さんだけになれば生かしておいて貰えない可能性が高い。
怒りを二人に分散させる必要がある。
ほどなくして阿伏兎さんは現れた。肩で息をしながら。
身体には細かい傷があり、苦戦したことを物語っている。
そしてすこし顔色が悪い。この後に予想される最悪な未来が阿伏兎さんにも見えているようだ。
私は苦笑いを漏らしながら口を開いた。
「阿伏兎さん、すまない。例の件を説明しないといけなくなってしまった」
「あぁ……まぁしょうがねェ……話を持ち出したのは俺だ……」
阿伏兎さんの笑顔には明らかに力がない。殺される、と小さく呟いた後に阿伏兎さんは心底言いづらそうに話し始めた。
「Aには、今日のうちに俺と云業がストーカーの件を解決するから、もう番長に会わないで欲しいって言ったんだ」
「え?どういうこと?」
声がこころなしか、いや、確実に低くなった。
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mire(プロフ) - お二方ともコメントありがとうございます！！すぐに返せなくてごめんなさい・・・最後までこの物語にお付き合いいただけると幸いです。 (2020年6月4日 15時) (
レス) id: 6258a992b7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです！更新楽しみにしてます！ (2020年5月7日 18時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
まほ - とても面白いです！ 頑張ってください！ (2020年4月21日 0時) (レス) id: 1d89b9509f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mire | 作者ホームページ：http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/
作成日時：2020年4月7日 21時
