瞳の中の記憶2 part3 (ページ3)

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63.傷の処置ページ3

－Aside－

一度料理を中断すると、私はデント君の傷の処置をしていた。

あ「…はい、できたよ。」

デ「ありがとう…ごめんね、A。」

あ「んーん。でも、珍しいね。デント君が料理中に指を切るなんて…」

私は救急箱に道具をしまうと言った。

デ「…ねえ、昨日どうして僕がいきなりキスをした時にどうしたの？って聞かなかったの？いつもは聞くのに…」

あ「それは…デント君、なんだかずっと悩んでるってこと分かってて…きっと昨日いきなりキスしたのも何かあると思ったから。
でも…触れちゃダメかなって思って。」

デ「A…」

あ「デント君、前に私のこと受け止めてくれたでしょ？だから…私もデント君みたいにデント君を受け止めたいの。
デント君が悩んだ時もできれば力になりたいし、キスしたいって思ったなら受け入れたい…」

私は微笑んで言った。

デ「…」

あ「とにかく、あまり悩むのよくないよ？デント君が話そうって思った時に私、聞くから。」

私はそう言うと、デント君の頬に優しくキスをした。

デ「わっ…//」

デント君は顔を赤らめて頬を押さえた。

あ「…さ、今は昼食準備だよ。早く作らないと、サトシ君たちお腹空かせてる。」

私は笑みを浮かべたままそう言うと、救急箱を片付けに行った。