42Monster.JOKER ページ4
「A」
自分と背丈の変わらない緑の猫
「A」
低く落ち着く声のした紫の吸血鬼
「A」
片目の瞳孔がバツ印をした赤い死神
「A」
不思議な雰囲気のした黄色い…人？
「ねぇ、早く会いたい」
「どこにおるん？」
「また遊びたい」
「迎えに行くからね」
「うらたさん、志麻さん、坂田さん、センラさん
私も早く会いたい、帰りたいよ――」
……？
すごく不思議な夢を見た気がする
さっきのは一体…？
時計を見ると夜中の2時
まだ眠れる…
ふあぁ…と大きなあくびをして寝返りをうって
再び深い眠りにつく
ジョーカーのカードが、そばにあることに気づかずに――
「やぁ、Aちゃん」
目の前が真っ暗
低く心地の良い声が聞こえる
「さぁ、こっちにおいで」
何も見えないけど、手を握られている感覚がする
引かれて、どこかへ連れていかれてる
「今夜はパーティだ」
誰に、どこへ連れて行かれてるんだろう？
でも、怖いとは不思議と思わなくて
むしろ心地良い感じ
と言うか、ふわふわしてる…？
眠っているみたいな……
ギィ、と扉が開く音がする
「まふまふ、連れてきたよ」
「ありがとう、そらるさん！
こんばんは、Aちゃん」
女性の声？
この人達は一体…？
「ボクはまふまふ。君を連れてきてくれたのがそらるって名前なんだ
ねぇ、君の願いを1つ、聞かせて？」
「私は＿＿」
願い事
さっきの夢のことしかない
あれがただの夢では無いことをなぜか分かっていて
彼らに会わなくてはならない気がする
2人にそれを伝えると、少しの沈黙
その後、クスクスと2人の声が聞こえた
自分から願っといて、これでいいのかと魂が問いかけてる
「ここへおいで」
呼ばれた通りに机に向かうと、様々な菓子類
目の前のものに手をつけるのにためらいがある
でも、もう猶予なんてないようで
「罪も願いも、呼吸ひとつも
全部飲み込んであげるから」
これを、食べればいいの…？
ひとつ、口に含もうと運ぶときに、不穏な言葉が聞こえた
「明日からボクのお姫様
永遠に眠れ」
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作者名：桜沢 彩咲 | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月28日 5時
