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そして十数年経ち、悪魔は再び現れました
「たぬき」
同じ声で、同じ言葉で、また姿を現したのです
「お前誰？」
化け猫が問います
「…悪魔。おせわになります」
「しねーよ」
「ここには住まないよ」
「は？」
化け猫はふと思い出します
突然現れて、突然消えた悪魔の少女
「君、いるみのちゃん？」
たぬきの質問に悪魔は頷きます
「…ねぇたぬきさん、いつか人間がここに迷い込む
あのね、私もうすぐ記憶無くすから、人間の話させて」
「その前にひとついい？天使は？」
「やや？今は一緒にいないよ」
質問に答えた悪魔は話を続けました
「別世界に住んでるAAって女の子が迷い込む
たぬきさん、覚えててほしい。その子、大事な人になる」
このときはまだ、化け猫は想像もできません
人間嫌いなのは変わりないから
それから数百年
1人の人間が迷い込みます
「あの…どなたかいらっしゃいますか…？」
「誰だお前」
声が響き、化け猫は問います
「えっと…道に迷ってしまって…お家に帰れなくて…」
そこまで聞くと、化け猫は匂いに違和感を持ちます
「……人間」
そう呟くと近くに行き、違和感の正体を探ります
「嗅ぎなれない匂いだな。お前この世界の人間じゃない？」
「え…世界…？」
その発言を聞いたたぬきが反応します
「あいにくだけど、こっちから向こうには帰れない
君、AAだろう？悪魔から聞いているよ」
ここから、5人と1匹の生活が始まったのです
そしてこれが緑の化け猫＿＿うらたぬきの、昔話
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作者名：桜沢 彩咲 | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月28日 5時
