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27:永遠の騎士【朱桜司】 ページ28

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私には小さい頃からお守りがいた。
それが当たり前で、ずっと一緒で、永遠だと思ってた。
ココだけの話。幼い頃に交わした結婚の約束も本気にしてた。

それが永遠ではないと知ったのは、私に婚約者がいると知ってから。
隣国の有能で容姿も良いどこかキナ臭い王子サマ。
いつも私の部屋に来ては、甘い言葉すら吐かずに本の虫になる。
そんなとき決まって私の騎士はこう言うのだ。


『お嬢様にお似合いでございます。歩を共に進めることのできる方です』


にっこりと、いつの間にか大人びてしまった顔で笑うのだ。

いつからだろう。その笑顔をさみしいと思うようになったのは。
下手な笑顔というのではなく、私がただ寂しく感じるだけ。
赤い髪も紫の瞳も、丁寧な喋り方も。何一つ変わっていないのに。
今すぐにでもどこかへ消えてしまいそうな、そんな儚い笑み。


「司、」
「どうなされましたか?」


くるりとこちらを向く、まだあどけない顔立ち。
もう少ししたら、同じ部屋にいるのは司ではなくあの王子なのだろうか。
私よりも本を愛していそうな、そんな薄情な王子。

いやだなぁ。
結婚なんて出来なくてもいいから、司がずっと側にいればいいのに。

そう思わずにはいられない。


「久しぶりに読み聞かせでもしてもらえる? あなたの声をたくさん聞きたいの」
「お望みの通りに致しましょう。…では白雪姫を読みますね」
「ありがとう」


ごろんとベッドに横になれば、それに続けて腰をかけてくる。
お腹のあたりが周りより沈んで身動きが取れなくなった。


「私が眠るまでそばにいてね司」
「仰られずともそのつもりでございますよ」
「眠ったら頭を撫でるのよ」
「はい」
「おやすみのキスはもういいわ」
「お嬢様もお年頃ですからね」
「それと最後に…」
「なんでございましょう?」


__私の騎士じゃなくて王子様になってちょうだい。


「……何でもない。読んでもらえる?」
「かしこまりました」


君が騎士じゃなければと、あの王子と逆ならばよかったのにと。
どれだけ願っても、どれだけ夢を見ても無駄だった。
変わらぬ運命に変えられない生活なら、
いっそのこと今このときのすべてをあなたにあげる。


「お嬢様、お休みなさいませ」


だから、私が眠るまではその紫の瞳で、私だけを見つめていて。


「__幸せな良い夢を見てくださいね」




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くるみ - こんにちは!レオくんの話すごく切なかったです。幸せな話もまた読みたいです!これからも頑張ってください! (6月27日 13時) (レス) id: 1520c09c44 (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - レオのアンドロイド切ない… (6月25日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
(名前) - 初コメ失礼します!レオくんのケーキとフォークの話がとても切なくて少し悲しい気持ちになりました。読み手をそういう気持ちにさせられるってすごいと思います!応援してるので頑張ってください! (6月3日 22時) (レス) id: fe02a3a839 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - adoraさんの書くせないず可愛くて大好きです!更新いつもありがとうございます…!これからも頑張ってください!! (5月21日 6時) (レス) id: bc4ed3887c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:adora | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年4月24日 0時

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