23：僕と君の愛の契約【朔間凛月】 ページ23
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ある日言われた言葉。
『幼馴染とは言っても、さすがに一緒に寝たりはしてないよね？』
私が幼馴染に過保護だと言う話題になり、
友人のひとりがそう呆れた様子でそう言ってきた。
もちろん、私はその返事に困った。
なぜなら昨日だって彼のわがままで一緒に寝ていたから。
「だからやめないかって…？」
「うん、なんか、おかしいみたいだよ」
「一緒に寝るのが？」
「そう」
夕暮れどきの公園で、ブランコに揺られながらそう話す私と凛月。
私が前に揺られれば凛月は後ろに揺られて、けっして揃うことはない。
「でも俺Aいないと悪夢見るんだよねぇ」
「んん〜。じゃあ真緒ちゃんに頼めば？」
「硬いもん、俺は柔らかぁいあんたがいいの…♪」
ね？と首をかしげる彼に、私はわからないという意味で首をかしげ返した。
彼の言うことはよくわからない。
真緒ちゃんが硬いなら抱き枕を買えばいいのに。
表情に出ていたのか、凛月はブランコを止めて柵に腰を預ける。
真っ赤な瞳が夕焼けのオレンジを反射し、どこか怪しく輝きだした。
吸血鬼一族の彼はいつでも美しい。
日が傾くにつれて、その美しさは磨きを掛ける。
「Aは16年間片時も離れず時間を過ごしてきた俺より、
赤の他人で血も繋がってない女の言うことを聞くって言うの？」
「凛月、私17」
「揚げ足取るなんて生意気…。で、どうなの？」
少し不機嫌そうに尋ねる凛月。
こういうときの対処法は知ってる。
私もブランコを止めて、彼の前に立ちはだかる。
すると先程まで彼にライトを当てていた太陽が私によって遮られる。
彼を照らすのは、背後にある月だけ。
「私は凛月の言うことだけを聞くよ」
そう言ってぎゅっと抱きしめれば、耳元で「良い子良い子…♪」と囁かれた。
＿＿頭に回された手は、私を甘やかしてだめにするため。
＿＿腰に回された手は、私がふらふらしないように捕まえておくため。
全部知ってる。だって、凛月がそういう風に私に教え込んできたから。
＿＿与えられてばかりの私は、『約束』を破ってしまった兄の代わりに太陽からきみを守る。
＿＿そして食糧となってきみの一部になる。
「じゃあ、今日も一緒に寝よっかぁ♪」
「いいけど今日はベッドから落とさないでね？」
「違うよ、あれA自分から落ちてたんだよ」
「うそぉ」
「まじだって」
あれ、私って結局なにを気にしてたんだっけ。
「A？ はやく帰ろ？」
「あ、うんっ」
…なんでもいっか。
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くるみ - こんにちは！レオくんの話すごく切なかったです。幸せな話もまた読みたいです！これからも頑張ってください！ (2019年6月27日 13時) (
レス) id: 1520c09c44 (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - レオのアンドロイド切ない… (2019年6月25日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
(名前) - 初コメ失礼します！レオくんのケーキとフォークの話がとても切なくて少し悲しい気持ちになりました。読み手をそういう気持ちにさせられるってすごいと思います！応援してるので頑張ってください！ (2019年6月3日 22時) (レス) id: fe02a3a839 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - adoraさんの書くせないず可愛くて大好きです！更新いつもありがとうございます…！これからも頑張ってください！！ (2019年5月21日 6時) (レス) id: bc4ed3887c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：adora | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月24日 0時
