Killer dei sogni

８話★：その２ ページ12

佐野とは昔よく話していた。
そこには蓮花ちゃんもいて。
私はその時から佐野のことは良く思っていなかったけれど
同時に蓮花ちゃんのことも、あまり良く思っていなかった。
それでもその時私の居場所は佐野だけだったから、彼女のほうについた。
そのせいで、私と蓮花ちゃんは話さなくなった。
あの後すぐ、佐野も私の居場所じゃなくなった。


形の無い波に煽られながら、昔のことを思い出して、同時に今のことを思った。


蓮花ちゃんの選んだ相手だから、きっとあの娘が止めを刺したい筈。
なら私はそれの手助けがしたい。
それが罪滅ぼしになるだなんて思ってないけど
彼女にしたことが、無かったことになる訳じゃあないし
私は別に無かったことにしたい訳じゃあない。
私はただ、証明したいだけなのだ。
私はもう、彼女の敵にはならないことを、証明したい。
もう嫌いなんかじゃないよって
今は好きだよって
あの時言えなかったけど、今は信じてるって
証明したい。
だからこそ、あの娘の為に、私が出来ることをしたい。
あの娘は覚えてないなんて言ってたけど
嫌な記憶というものはいつまでも何処かに残るものだ。
この戦いで、それが軽くなればいい。
だから、絶対に勝たなくてはいけない。
あの娘の為に。


その為には、どうすればいい。考えろ…考えろ。

吹き飛ばされながら考える。

思考を止めるな。何かあるはずだ。



あぁ。分かった。



壁がすぐそこまで迫ってきた。
私は鎌を持ち直し、壁に柄をぶつけて、飛躍した。


真っ直ぐに、二人の居る場所へ。

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