温もり 甘 ページ46
｢A。･･･怒っているかね？｣
夕食を食べ、入浴を済ませ、部屋へ戻ったAは静かに本を読んでいた。
｢え？なんの相談もなしに進学先決めちゃったことですか？｣
にこにこと微笑んだまま、Aはトゲのある言葉を吐いた。
もともとAは口が悪いし嫌味を言うのは得意だが、斎宮相手にそう振る舞うことは多くなかった。
｢う、･･･嫌な言い方をするね。･･･すまなかったね、でも、君はついてきてくれるだろう？｣
サラリと、まだ少し湿っているAの髪をなでた。
｢機嫌をなおしておくれ。｣
そう言って斎宮は、静かに顔を近づけ優しく口付けをした。
｢･･････みかくんが来るまでの1年間を、宗くんと二人きり、遠い異国の地で過ごすの、ドキドキします。｣
パチリと、目を見開き斎宮はフッと微笑んだ。
｢あまり可愛いことを言わないでくれ。｣
斎宮の手が肩に触れ、そのまま優しく押された。
｢えっと、宗くん？｣
Aは慌てた。まさか、斎宮に限ってすぐ手を出すことはないと、たかを括っていたのだ。
斎宮は何も言わずにAに覆いかぶさった。
Aは耐えきれずに、強く目を瞑った。
｢･･･美しいね。｣
斎宮は服に手をかけるでもなく、只只Aの顔を見下ろしていた。
｢は、恥ずかしいので退いてください｣
Aは顔を真っ赤にして斎宮の胸元を押した。
｢･･･向こうに行ったら、覚悟していてくれたまえ。｣
少し不貞腐れたように頬を膨らませ、斎宮はAの隣に寝転んだ。
｢宗くんそんなにがっつくタイプでしたっけ？｣
Aは赤い顔のまま寝返りを打ち、斎宮に背を向け言った。
｢おや？知らなかったのかね。｣
斎宮はAを後ろから抱きしめた。
｢し、しゅ、宗くん･･･あたってます。｣
｢当ててるのだよ。言わないと分からないのかね？｣
ムッとした声で斎宮は答えた。
｢僕もそれなりに欲望はあるのだよ。･･･これ以上なにかするつもりは無いのだから、安心したまえ。｣
くるりとAはもう一度寝返りをうち、斎宮と向き合った。
｢住む予定のお部屋の資料とかあったら、見てみたいです。｣
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巣ガモ(プロフ) - お師さんのクロワッサンさん» お師さん好きの方にそう言って頂けて嬉しいです！コメントありがとうございます。 (2019年6月10日 7時) (
レス) id: b191e7971f (このIDを非表示/違反報告)
お師さんのクロワッサン - あ"あ"あ"！！！お師さん好きの私にはたまらない作品です！！！これからも応援してます！頑張ってください (2019年6月9日 22時) (レス) id: e5f344db99 (このIDを非表示/違反報告)
巣ガモ(プロフ) - るもいさん» ありがとうございます。コメント励みになります！ (2019年5月26日 14時) (レス) id: b191e7971f (このIDを非表示/違反報告)
るもい(プロフ) - とても内容がよくて、最初から一気読みしてしまいました！更新楽しみにしています！ (2019年5月26日 0時) (レス) id: c365e10257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巣ガモ | 作成日時：2019年5月20日 18時
