口づけ ページ40
｢･･･ま、まだ早かったかね？｣
突然のことで、斎宮も面食らってしまった。Aを怖がらせてしまったのでは？と心配した。
｢ち、違います。･･･わたし、宗くんと付き合う前に、言わなきゃならないことがあって。｣
Aは目を泳がせ、少し脂汗をかいていた。
｢実は、れいと、キスしたことがあって･･･｣
｢･･････いつ、どこで、どうして？｣
斎宮の、ムッとした表情にAは怯えた。
｢クリスマス、イルミネーションの近く、デート企画の一環で。｣
｢･･･････････････ほう。｣
｢･･･見損なったかな？･･･いいよ、全部なかったことにしても、･･･わたしは今まで通りに｣
｢何を言っている？･･･確かに僕はそんな不誠実なことはしないけども、君のその仕事へ向ける熱意は理解しているつもりだよ。･･･僕らだって、ドラマにでも出れば拒めない異性との触れ合いはあるからね。･･･正直に話してくれたことが嬉しいよ。｣
思いがけず優しい斎宮にAは驚いた。
｢え？怒ってないの？｣
｢なんだね？君は僕を処女信仰者の権化か何かだと思っているのかね？？｣
｢絶対そうだろ！｣
｢ノン！！｣
斎宮はAに馬乗りになり、唇を塞いだ。
唇を重ねるだけの、バードキスから、少しずつ少しずつ、互いの中に侵入し、深くなっていった。
ドキドキという言葉では表現しきれないほど心臓が脈打ち、血液が沸騰しているように感じた。
ずっと大好きだった、彼の顔が今目の前にある。
どんなときも完璧を求めていた彼が、眉間に皺を寄せ、流れる汗もそのままに、呼吸を荒らげていた。
Aは、様々な感情が入り乱れ、涙を流していた。
｢へ？！あっかーん！お師さん！ホンマにそれはアカンよ！！｣
騒がしさに駆けつけた影片が、涙を流すAを見て、勘違いし、二人の間に飛び込み斎宮を叱りつけた。
｢はっ、ちが、みかく、･･･はぁ、｣
｢これ、はっ、はぁ、かげひっ、ふっ、ふっ･･･勘違いなのだよっ！｣
必死に弁解しようと試みるが、体力のない2人は、まともに言葉を紡げなかった。
｢･･･え！お師さんとA姉付き合うことになったってことなん？？幸せやん！！！おめでと〜！！！｣
事情を把握した影片は、大きな声でよろこび二人に抱きついた。
｢えへへ、俺、今死んだら2人の子供に生まれ変われるかな？？｣
｢物騒なことを言うな影片。｣
｢今世で3人で幸せになりましょ〜｣
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巣ガモ(プロフ) - お師さんのクロワッサンさん» お師さん好きの方にそう言って頂けて嬉しいです！コメントありがとうございます。 (2019年6月10日 7時) (
レス) id: b191e7971f (このIDを非表示/違反報告)
お師さんのクロワッサン - あ"あ"あ"！！！お師さん好きの私にはたまらない作品です！！！これからも応援してます！頑張ってください (2019年6月9日 22時) (レス) id: e5f344db99 (このIDを非表示/違反報告)
巣ガモ(プロフ) - るもいさん» ありがとうございます。コメント励みになります！ (2019年5月26日 14時) (レス) id: b191e7971f (このIDを非表示/違反報告)
るもい(プロフ) - とても内容がよくて、最初から一気読みしてしまいました！更新楽しみにしています！ (2019年5月26日 0時) (レス) id: c365e10257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巣ガモ | 作成日時：2019年5月20日 18時
