告げる ページ39
｢はっ！｣
Aは目を覚ますと、勢いよく上体を起こした。
時刻は午前6時。
｢･･･なんだね。静かに起床したまえ。｣
隣で眠っていた斎宮が、寝ぼけた声を上げた。
｢あ、、あ、ごめんなさ、あ｣
Aは咄嗟に斎宮に謝ろうとしたが、昨夜の己の愚行を全て覚えている彼女は、恥ずかしくて頭を抱えた。
｢え、バスローブ？！｣
自分の体を見ると、下着とバスローブのみを身につけていた。
｢流石に動かない人間に服を着せるのは、人形のように簡単には出来なかったのだよ。･･･僕も昨夜は疲れてしまってバスローブのまま寝てしまったけどね。｣
1人で百面相するAの隣で、寝起きのいい斎宮はそう言った。
確かに斎宮の身につけているものもバスローブであった。
｢･･･宗くんのバスローブ･･･えっちだ･･･｣
脳みそがまともに働かないAは、思ったことをそのまま口にして斎宮に小突かれた。
｢こら、低俗な言葉を使うんじゃない。････････････僕に興奮するかい？｣
｢いや、手のひら返しすぎ！！宗くんこそそんなド攻めなセリフ使わないでください！｣
Aは、露出を好まない斎宮の、露わになった肌に、ドキドキしていた。
｢ふふ、ごめんね。･･･僕、君が向けてくれる感情ならなんでも嬉しいみたいだ。｣
くすくすと笑い、寝返りをうつ斎宮をみて、こんな毎日が一生続けばいいのに。とAは思った。
｢そろそろ、君も素直になってくれるといいのだけど、もう一度、聞いてくれないかい？｣
｢･･･僕は君のことを愛しているのだけれど、もし良ければお付き合いしてくれないかい？｣
この人は、自分が殺そうとした恋心に、もう一度生きるチャンスを与えてくれたんだ。Aは目頭を熱くしながら、精一杯微笑んだ。
｢私も、宗くんを、愛しているのだよ！｣
｢なっ！ふ、ふざけないでくれたまえ！｣
顔を真っ赤にさせて、頬を緩めながら斎宮は怒鳴った。
そのまま斎宮はAの頬に手を添え、静かに顔を寄せた。
｢の、のん！だめ！｣
Aは斎宮を突き飛ばした。
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巣ガモ(プロフ) - お師さんのクロワッサンさん» お師さん好きの方にそう言って頂けて嬉しいです！コメントありがとうございます。 (2019年6月10日 7時) (
レス) id: b191e7971f (このIDを非表示/違反報告)
お師さんのクロワッサン - あ"あ"あ"！！！お師さん好きの私にはたまらない作品です！！！これからも応援してます！頑張ってください (2019年6月9日 22時) (レス) id: e5f344db99 (このIDを非表示/違反報告)
巣ガモ(プロフ) - るもいさん» ありがとうございます。コメント励みになります！ (2019年5月26日 14時) (レス) id: b191e7971f (このIDを非表示/違反報告)
るもい(プロフ) - とても内容がよくて、最初から一気読みしてしまいました！更新楽しみにしています！ (2019年5月26日 0時) (レス) id: c365e10257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巣ガモ | 作成日時：2019年5月20日 18時
