雨 ページ33
｢雨･･･傘･･･雨･･･｣
Aは、逃がしてもらえたのはいいものの、傘を持っていなかったため、どうやって帰ろうかと悩んでいた。
｢何をしている？｣
｢あ、けいと。｣
Aに声をかけてきたのは、蓮巳敬人であった。
｢まさかと思うが、貴様傘を忘れたのか？｣
靴箱の前でしゃがみこむAの姿を見て、蓮巳は言った。
｢えへへ、降られちったぁ｣
少し照れたように笑うAを、不覚にも可愛いと感じてしまった蓮巳は、誤魔化すように少し大きな声で、｢度し難い！｣と言った。
｢･･･ほら、これ使え。｣
蓮巳は、傘をAに差し出した。
｢俺はちゃんと折り畳み傘も常備している。だから、貴様にこれをかそう。｣
目を逸らし、メガネを持ち上げて蓮巳は言った。
｢え、神〜！！！｣
｢･･･うちは仏だがな。｣
喜ぶAを見て満更でもなさそうに蓮巳はそう言って、生徒会室へ向かった。
｢ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷらんらんらーん！｣
Aは傘をさすと、ルンルンで学校を出た。
｢おや？そこにいるのは、Aじゃないですかぁ！せっかくのぷかぷかびよりなのに、かさをさすのは、もったいないです。｣
深海が、傘の下を覗きながらそう言った。
｢ふふ！水の楽しみ方は浴びるだけじゃないんだぞ！有名な国民詩人が詞をかいたすばらしい曲を口ずさんで傘に当たる雨粒の音色を拾おう！｣
｢Aは、しゅうより、おかしいんですね。｣
深海はくすくすと笑いながら、帰るAを見送った。
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巣ガモ(プロフ) - お師さんのクロワッサンさん» お師さん好きの方にそう言って頂けて嬉しいです！コメントありがとうございます。 (2019年6月10日 7時) (
レス) id: b191e7971f (このIDを非表示/違反報告)
お師さんのクロワッサン - あ"あ"あ"！！！お師さん好きの私にはたまらない作品です！！！これからも応援してます！頑張ってください (2019年6月9日 22時) (レス) id: e5f344db99 (このIDを非表示/違反報告)
巣ガモ(プロフ) - るもいさん» ありがとうございます。コメント励みになります！ (2019年5月26日 14時) (レス) id: b191e7971f (このIDを非表示/違反報告)
るもい(プロフ) - とても内容がよくて、最初から一気読みしてしまいました！更新楽しみにしています！ (2019年5月26日 0時) (レス) id: c365e10257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巣ガモ | 作成日時：2019年5月20日 18時
