いつかいなくなる私は 探偵チームKZ事件ノート

空気感 ページ10

私は心配される程、部屋にこもって勉強した。

心配、じゃない・・・かな。

うん、あれは気味悪がってるだけだね。


トロい・鈍いとか言われてる私だけどそれぐらい察するよ。


気味悪がられたって平気。

中間テストで良い点数さえ取れれば…。


お母さんたちに必要だって思ってもらえるんだ。


苦手な数学だって、頑張った。

しっかり秀明の授業も聞いたし。





今日は退院して初めての集合。

昨日の夜はいつもより長く風呂に入って。


可愛らしい、水色のワンピースを着た。


ノートをバッグに入れて、いざ若武の家へ！







書斎に行くと、皆がもう着いていた。


彩「遅くなってごめんね」


私が謝っても皆は黙ったままだった。

シーン………


はりつめた空気に涙が出そう。


…と、若武が肩をフルフル震わせ始めた。


若「アーヤ、退院おめでとう！」

全「おめでとう！」


パァァァアンッッ！


盛大にクラッカーがなる。


彩「ありがとう、皆！」


ビックリしたぁ。


若「立花隊員が無事でなによりだ。さ、立花隊員復帰祝賀会を初めようではないか。」


会の名前、長っ！


上「カッコつけんな、バカ武。」

若「フ、上杉よ。俺はもうそんな挑発には乗らないぜ。」


わぁ、入院してる間に急成長してる！


上杉君、口をパクパクさせて、唖然としてる。


黒「大人になった若武先生の勝ち。」


フフ、と微笑を浮かべる黒木君。

そのやり取りを楽しそうに眺めてる小塚君。

楽しそうに…じゃなくて、ニヤニヤしている翼。

スマホのゲームに夢中の忍。


kzだ。


私が大好きなkzだ。


この空気感がすごく好きなんだ。









本当は、気付いてた。









皆の笑顔が強ばっていたことに。

アーヤのため　　小塚side→←ごめんね　　彩side

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