いつかいなくなる私は 探偵チームKZ事件ノート

拒否反応 ページ6

ぶわあっ！

彩ちゃんの心の中から私は強制的に出されてしまった。

彩ちゃんが私に対して、拒否反応を起こしたから。

　 「私を産んだ母が悪いんだね！」

凛とした声で静かに言った彩ちゃん。

どうして、そんなに哀しげな顔をしていたの？

お母さんと喧嘩？

そんな感じじゃなかった。

もっと重い・・・大問題っていうか・・・。

彩ちゃんとお母さんの間には隔たりがあるのだ。

でもなぜ隔たりがあるのか。

分からない。全く、想像もつかない。

何百年も生きてきた私にも分からない謎がある。

救ってあげたい。

久しぶりかな。

こんなに強く誰かを助けたいって思ったのは。

フ、と私はあることに気付いた。

お見舞いに家族が来ていないってことに＿＿。

忙しくても、普通、家族のお見舞いに来るよね？

でも来ているのは６人の男の子たちだけ。

彩ちゃんの、お父さんは？

彩ちゃんの、お母さんは？

彩ちゃんの、家族は？

どうしてお見舞いに来ないの？

私の頭にある考えがよぎった。

その考えはとても、恐ろしいものだった。

口にしたくない。

でも、私の考えが正しかったら、彩ちゃんはとても苦しんでいるはずだ。

どうすればいい？

私にできることはある・・・？

私は一心不乱に病院のカルテの中から「立花 彩」を探した。

あった！

父母の欄を見る。

父「立花＿」 母「立花＿」

兄「立花 裕樹」 妹「立花 奈子」

どうして？

父母の名前が薄れていて全く、読めない。

自然にこうなったのでは無い。

故意にやったのだ。

ここの院長と立花家は、関わりがあるんだ。

そう確信したけど。

もう自分にはできることがないのだと。

そう痛感した。

でもそれと同時に期待があった。

あの６人の男の子たちなら彩ちゃんを救えるかもしれない＿＿と。

ファンタジーじゃないわ！→←赤ちゃんのようだった

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