いつかいなくなる私は 探偵チームKZ事件ノート

“いつか”の定義 ページ33

私は、白いシルクの服を着ていて。


裸足だった。









床は、マシュマロの上みたいに柔らかくて弾力がある。




周りは、白。




白だらけで、眩しいから目をつむってしまう。






　


ここはどこだろうか。







私の夢の中、だろうか。







私は、いつかいなくなる。


私だけでなく、生きている者は皆、そうだ。




そのいつか、が近いか遠いかってだけで。





仕事に就いて、結婚して、子供を育てて。




まさか、それが全部出来なくなるなんて。


考えるわけなかった。









手術ができないとなると、ただ死を待つだけである。




残酷。








いつか、だなんて曖昧で…







あーぁ。








小学生の時から、私は中1でいなくなるって分かっていたら。








……いや、タラレバはやめておこう。




自分が悲しくなるだけ。


辛くなるだけ。









ふ、と体が重くなった。



周りが暗い。


真っ暗だ。




ここに光が差す方法を、私は知っている。






私が瞼を開ければ良いだけだ。









……それが出来ないから、皆を悲しませているんだよ。





瞼を開けることさえも出来ない。




体が言うことを聞かないってことが、どれだけ大変で、辛いか…分かる？









……音は聞こえるのに、口が開かない。









いつか、なんて曖昧な言葉は無くなれば良いのに。

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