いつかいなくなる私は 探偵チームKZ事件ノート

アーヤ ページ32

小塚side


ベッドに横たわったアーヤを囲む、僕ら。


デジャブだけど、前と違う事が１つ。









前よりもアーヤが危険だってことだ。









今は、血圧も安定しているし、心臓も正常に動いている。






…ただ、意識が無いだけで。








僕が飲み物を買いに行ってる間に、君は、いなくなったりしないだろうか。







温かい缶コーヒーを握りしめる。




その缶コーヒーを飲む気にはなれなくて、リュックにしまった。




それは、皆も同じみたいで皆もカバンにしまっていた。









アーヤの今の体は、手術に耐えられなくなっているらしい。



手術は不可能。








アーヤは、いついなくなるか分からない。









こんなにも人の死を身近に感じたのは初めてで、狂ってしまいそうだった。







僕らしくないけど、叫びたい。

物を思いっきり壊したい。





そんなの、アーヤが望まないから、絶対にやらないけどね。









すー・・・すぅ…


規則正しいアーヤの呼吸を聞いて、安心する。






もう………





目を開けなくて良いから、いなくならないで。







…そう思う僕は、臆病だ。



目を覚ますと、また倒れるんじゃないか、って不安になる。




皆はそんな考え、しないんだろうなぁ。









皆は、臆病じゃないから。









僕は、溜め息を小さくついた。


誰にも聞こえないような。









涙が流れないように、鼻をｽﾝとすすった。









微笑んでるアーヤ。




君は何を考えているの？

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