いつかいなくなる私は 探偵チームKZ事件ノート

kzの焦り　小塚 ページ18

若「アーヤはまだか？！」

小「アーヤなら今日これないって。」


プルプル……


若武のスマホが鳴った。


若「ユウキさんからだ。」

ユ「そこにkz皆いるか？」


ユウキさんの声は僅かに震えている。

感情を表に出さないから、深刻さが伝わってきた。


若「います。」

ユ「なら話が速い、スピーカーフォンにしてくれ。」


僕たちは唾をのんでスマホに耳を傾けた。


ユ「彩がパソコンであるサイトを見てたんだ。そのサイトがちょっと…な。URL送るから見てほしい。」


ユウキさんはそう言って電話を切ってしまった。

数秒するとまた若武のスマホが鳴った。


若武は画面に指を滑らせて、画面を僕らに見せた。


長い長い沈黙。


忍「立花はこの病気なのか？」

小「わ、かんない。けどその可能性が高い…よね？」


上「…じ、マジかよっ…。」

黒「………。」



翼「治療法が無いって…嘘でしょ。上杉、あるよな！？」


上「無ぇよ。そう書いてあるだろ！」


美門の苛立ちが上杉に伝染して、kzの空気はピリピリ。


あぁ、この感じ。


アーヤが事故にあった時の空気と同じだ。


深いため息。

眉間のシワ。

鋭い目。



皆が攻撃的になってしまう、重い空気。


僕はこの空気がとても嫌い。

だけど、臆病な僕は。


「皆、思いやろうよ！」

とか、


「アーヤの無事だけ考えよ」


って…今にも壊れちゃいそうな、暴走しちゃいそうな皆を止めることができないんだ。


いつもうつむいて黙っているだけ。

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