いつかいなくなる私は 探偵チームKZ事件ノート

春のあたたかな午後でした ページ2

ん〜気持ちいい！

私、立花 彩は散歩をしている。

桜の木が沢山、並んでいる道路。

交通量がとても少なくて、車や人の話し声が聞こえない。

春の日差しが優しく私を包み込む。

すてき・・・。

静かであたたかい春の日だな。

フ、と私の頭をかすめた言葉。

【嵐の前の静けさ】

この後、何か私に不幸が降りかかるのかもしれない・・・。

あたたかいのに、ブルっと背筋が凍った。

ダメだな、私・・・すぐ悪い事を考えるんだから・・・。

今はこの春のあたたかさを感じて楽しまなくちゃ。



こういうときだけ私の勘は当たる。

アンラッキーの神様でも私にとりついているのかもしれない。

忍にお祓いしてもらおうかな。

本気でそんなことを考えた。




ブロロロロロロロ・・・

大きな車の音に振り返った私。

白い車が走ってくる。

避けなきゃ！・・・遅かった。


道路には倒れた女の子と真っ赤な血。

ハラり、ハラりと桜が散り・・・血に浮かぶ。

白い車の運転手はいない。




二三十分もたつと、やっと女の子は見つかった。

犬の散歩に来たお婆さんの悲鳴で近所の人たちが集まり・・・。

女の子は病院に搬送された。



ハラり、ハラり・・・。

また桜が散った。

薄いピンクの花は何も言わず・・・ただ散った。

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