いつか恋が実るなら。#2 (ページ40)

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『お邪魔します』

「どうぞ」

三度目の相合傘。

宮近くんが好きだと自覚してからは初めて。

前ほど強い雨ではなくて、小雨程度だからこそ触れるくらい近付かなくても大丈夫な状態。

学校から出て少し歩いているけど、なんだか気まずい。

宮近くんのことを見るに見れないというか、ただでさえドキドキしているのに、見たらもっとドキドキしてしまいそうで……

「なんか俺まで緊張するんだけど」

私の緊張が伝わってしまったのか、宮近くんは傘を持っていない方の手で首を触った。

『ごめんね』

「謝らなくていいけど、さっきの質問してきてた元気はどこに消えたんだろうね」

『どこかに飛んでいっちゃった』

「そっか、不思議だね」

『うん、不思議』

また始まる沈黙。

どうしよう、なにか話さなきゃ。

でも、もう質問はしちゃダメ？

じゃあ何を話せばいいの？

私っていつも、海斗や中村と何話してたかな？

「百面相」

『え？』

「何かずっと考えて、顔に出てるよ」

『恥ずかしいからあんまり見ないで』

「何考えてたの？」

『宮近くんと何話そうかなって考えてた』

「可愛いこと言うね」

“可愛い”なんて、勘違いしそうな言葉。

宮近くんは照れ屋さんだと思っていたけど、こういうことはサラッと言ったりしちゃうんだ。