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｢そんなムスッとしないでください｣
平日の昼間、映画館の前で待ち合わせをして無事皆集合したはいいけど、
北｢なんで樹がいるの？｣
『北人くんごめんね？』
｢いいじゃないですか、｣
ふくれっ面の北人さんを宥めてはいるけど、一向に納得しない様子で。
この間北人さんがAちゃんに連絡をした後、
夜俺に連絡がきて、樹くんも行こうよ とお誘いを受けた。
流石に断ろうと思ったけど折角だし と言われたら断れなくて、北人さんには申し訳ないと思いながら当日まで内緒にしていた。
ちょっと自分が性格悪いな と思ったけどAちゃんに会える と思ったら嬉しくて。
それで結局三人で映画に来たと言う訳です。
北｢もう、Aちゃん行こ！｣
『え、北人くん？！』
Aちゃんの手を引いて急に歩き出して、その後を追いかける。
｢北人さん、ごめんなさい｣
北｢許さないからな！｣
『私が誘ったから樹くんの事責めないであげて？』
北｢デートだと思ったのに…｣
『今度また出掛けましょう？』
北｢その時は二人で？｣
『…はい、二人で』
子犬みたいな目で見つめてた北人さんの約束をさすがに断れなかったのか、目の前で約束を交わす。
一瞬俺の方を見てきたAちゃんはなんだったのかと少しモヤモヤしたけど、気にしないようにした。
北｢今回は仕方ないから許す｣
｢あ、ありがとうございます｣
北｢Aちゃん何見たい？｣
『じゃあ今話題のこの映画見ませんか？』
北｢ホラー…？｣
｢北人さん怖いんですか？｣
北｢はっ？！よ、余裕に決まってんじゃん！｣
『映画の券買いに行きましょ』
｢そうだね｣
北｢…もう１回考え直さない？｣
｢男見せましょ、北人さん。笑｣
北｢樹後で覚えとけよ！｣
『北人くん、行きましょ？』
二人で北人さんの腕を掴んで券売機へと向かった。
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作者名：とん☆ | 作成日時：2019年6月13日 19時
