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「わんちゃん、帰れる?」


『帰れます!その前に呼び方どうにかしてください』


「だって、笑」








カフェに着いてからどれだけ喋ったのだろう、気づけば辺りは暗くなっていた。


しかも話は止まらず、語り続けていた。

帰り際に知り合いのマスターに、

マ「樹くんがあんなに話すなんてびっくりした」

と驚かれる程で、俺自身その自覚はなかった。








『樹くん、今日はありがとうございました!本当に楽しかったです』


「いや、こちらこそ。こんな気が合う子居たなんてびっくりした」


『そんな事ないです、また話しましょう!それまでにはコーヒー飲めるようにしておくので笑』


「無理しなくていいよ笑オレンジジュース飲んでて」


『樹くん、馬鹿にするから嫌です』





こんな短時間でここまで仲良くなるなんて正直思ってもなかった

今までの俺は人見知りしてなかなか打ち解けるのも時間が掛かっていた。


けどAちゃんには違って、自分から話したい、知りたいな なんて思う事ばかりで どうしたんだ俺 と問いかけたいくらい驚いている。





『今日で樹くんのイメージだいぶ変わった』


「え、どんな奴だと思ってたの?」


『クールで無口なのかと思ってたけど、この間誘ってくれて不安もありながら今日来たら、優しいしちゃんと話も聞いてくれて好きな事の話してる時凄い笑顔で話してて、でも悪魔みたいな意地悪さもあって、』


「不安に思われてたのか、ごめん」


『いや、全然!こんな私が話し相手で良いのかとも思ったけど、私は今日一緒にいて話してて楽しかった!ありがとう!』


「…っ」





俺の瞳に映ったニコッと微笑むAちゃんは、まるで天使みたいで、俺の鼓動は速まるばかり。


今にもこの心臓音が聴こえてしまうんじゃないかってくらいドキドキしてる。


もう別れるって時にこんなの反則だろ。






『もう電車くるから行くね!また連絡する!本当にありがとう!』


「ちょっと待って、」





改札に向かおうとするAちゃんの腕を思わず掴んだ。





『樹くん?』


「…やっぱ送るよ、心配だし」


『…じゃあお言葉に甘えて、』





咄嗟に掴んだ腕を離して改札に歩き出す。




何してるのと思うけれど今はそんなのどうでも良くて

あともう少しだけAちゃんと一緒に居たかった。











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作者名:とん☆ | 作成日時:2019年6月13日 19時

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