検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:13,197 hit

ページ10

「今更父親だって、助けろなんて身勝手すぎる。私が産まれてから1度だってあの家に帰ってきたことなんてないくせに」


「いや、俺だってお前達に会いに行きたかったさ。けど俺がお前達に会いに行くと危険だろ?だからどうしても行けなかったんだよ」


「・・・っ、人を莫迦にするのも大概にして!!私が何も知らないとでも思ってるの!?貴方のせいで母さんは何も悪くないのに殺されたの!!」




良くもぬけぬけと私の前に顔を出せたものだ。


あまりの怒りでふつふつと体温が上がっていくのが分かる。


目の前の男はどう取り繕おうかと悩んで、だらだらと汗をかいていた。


こんな頭の悪い男をどうして見つけられなかったのか、こんな男の血を継いでいるなんて吐き気がする。




「分かった!なら匿ってくれなくていい!せめて逃亡資金ぐらい貸してくれ!実の父親が死ぬ所は見たくないだろ!!?」




私の肩を掴んでいた手に力が篭もる。


目は明らかに血走っていて、健常者の目ではない。大方薬にでも手を出したのだろう。




「私はもう母さんが目の前で死ぬ所を見た」


「だろ?そんな所もう見たくないよな、だから早く俺を助けてくれよ、なぁ!!」




なんて醜いのだろうか。


今まで生きてこれたのが不思議な程だ。


・・・・・・あぁ、女の人に匿ってもらっていたのか。


顔だけはそれなりに整ってはいるらしい。でも太宰君を見た後ではそれも笑い話になってしまうり




「私は貴方を父親だと思わない。だから、貴方の事は助けない」


「な、なにを言ってるんだ。俺は正真正銘お前の父親なんだ・・・・・・。ほら、その赤い目、俺の異能を受け継いだんだろ?」




私の異能力は、人よりも視力がずば抜けていい。ただそれだけのこと。


たった、それだけの異能力。けれどそれも全部使い方次第だと森先生は教えてくれた。


どうやらこの男の頭ではろくな使い方はしてこなかったらしい。




「残念な事に貴方と私の血は確かに繋がっている」


「だったら!」




もう、この男の言葉を聞く気にはなれなかった。


発される全ての言葉が不快で不愉快でたまらない。




「私は今日の日の為に生きてきた」




私の肩から手を離さない男に、こっそりと手に持っていたメスを素早く男の腹に突き刺し横へ引き裂いた。


男の断末魔が耳をつんざいた。

◇※(グロ注意)→←◇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
80人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

柚子豆腐(プロフ) - みなづきさん» コメントありがとうございま!文章を褒めて頂けるのはほんとにめっちゃ嬉しいです!!より楽しんで頂けるよう頑張ります!! (2021年3月10日 4時) (レス) id: 63b1aa4dbe (このIDを非表示/違反報告)
みなづき(プロフ) - 死ぬほど好きです!!!文章が綺麗で、キャラクターとしても太宰がひたむきというか、原作のままなのがもう好きすぎて、、100億回くらい10点押したいです。続き楽しみに待ってます! (2021年3月9日 22時) (レス) id: 3762c357ba (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:柚子豆腐 | 作成日時:2021年2月25日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。