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そんな顔で見ないでよ。
だってあんたは昔酷いキズモノの私に言ってくれたじゃないか。
『気にすんな、別嬪は別嬪だって』
「…あ？」
あの言葉はあの時確かに私を救ったのだ。
傷を見ないフリするのではなく、傷も含めていいじゃねぇかと受け入れてくれたのが嬉しかった。
なのに。
『…どうしててめェなんだ』
やつの言う通り昔はよく一緒にサッチのご飯を食べた。暇な時は釣りにも誘ってくれた。
いい兄貴だった。
それは間違いなかった、はずなんだ。
剣を抜くと黒刀へとそれは色を変える。
雑念を払うようにゆっくり構える。
「ま、待て！待ってくれ！いや悪かった！！謝って許されることじゃねェだろうが謝るから！」
腰が抜けてしまったらしいティーチは手足をばたつかせながら私に懇願した。
もうやめてくれ。
これ以上私の思い出を壊すのはもう。
『思ってもないことは言わない方がいいよ。
大丈夫、私にも多少情は残ってる。一瞬で終わらせてあげる』
さらにアワアワとふためく男にもはや情などなかった。
残ってるわけないでしょう。
一体てめェのせいで何人死んだと思ってる。
この一刀で全てを切り離そう。
私の知ってる馬鹿な兄貴と家族を殺した極悪非道な殺人鬼を。
てめェは確実に地獄行きだろうから親父たちには会えないかもしれないが、どうせ私も同じだろう。
『先に地獄で待ってて。そのうち私も行くからさ』
さよなら
どおおおおん どおおおおおん
本日何度目かの大きな揺れが島を襲い、体制を崩した私の剣は岩を突き刺しティーチの頬に切り傷を作っただけだった。
今度は何だ。私もこいつも何もしてない。
最凶最悪で名を馳せた連中ばかりいれば何が起こってもおかしくは無いが。
『ッ何……』
「ぜ、ぜははははは！やっと来たか！遅ェんだよォ！！残念だったなァアイリン！もう俺たちの勝ちだぜェ？！」
『援軍か…ならちょうどいい。てめェの首とって土産に持って帰ってもらおうか』
「ぜははは、やれるもんならやってみなァ！ただの援軍だと思ったら大間違いだぜ」
『負け惜しみも大概に』
「あららら〜ん？なんかピンチじゃないの、助けてやろうか？」
『は？』
後ろから聞こえた声はおぞましい程楽観的で、聞き覚えがあった。
だがその人物を確認する前に一帯を凍てつくす氷に私は一瞬で飲み込まれた。
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葵(プロフ) - Reiさん» Rei様コメントありがとうございます。お褒めの言葉が大渋滞で光栄の極みです！長い作品になりましたが最後まで読んで頂きありがとうございました！！ (9月21日 1時) (
レス) @page28 id: a9dfcafb0e (このIDを非表示/違反報告)
Rei - 最後までお話読ませていただきました!!!作者様マジで文才凄いです!!!!!!感動シーンの耽美に私もう何回も泣いちゃって(オーバーな表現とかじゃなくてマジで)涙腺画だいぶ緩くなっちゃいました（笑）めっちゃ尊敬します。こんな神作品を作って頂きありがとうございました! (8月8日 9時) (レス) @page29 id: b86dee8da5 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - なこさん» なこ様コメントありがとうございます。ドキドキハラハラしていただけて何よりです！なこ様の温かいお言葉本当に嬉しかったです！最後までお読みいただいて本当にありがとうございました！ (2023年2月23日 13時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» ほんの少しでも葵様のお力になれていたとしたら本望です´`* ココナッツでは長いでしょうから、是非ココとお呼びください~ 次作も楽しみにしております！ お疲れ様でした~！ (2023年2月21日 23時) (レス) id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 完結おめでとうございます！！どのような物語展開になるのかと、頂上決戦始まり時はドキドキハラハラさせて頂きながら読ませて頂いていました。最後はまた巡り巡ってエースとハッピーエンド♡本当に良かったです！！おつかれさまでした(๑>◡<๑) (2023年2月21日 22時) (レス) @page27 id: 2ce513ca08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年2月7日 22時
