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船に乗って懐かしい光景に浸っていると甲板の方から騒がしい声が聞こえてくる。
この騒がしさすら、懐かしい。
廊下をダダダダと走ってくる姿が遠くに見える。
誰よりも早く飛び抜けてきたのは
『マルコ』
私の目の前まで来ると足を1度止め、震えるような足取りでゆっくりと近づいてくる。
そして弱々しく崩れるように私を抱きしめた。
弱々しいとは言ったがその力は絶対に離すまいと強い力で抱きしめられる。
少し苦しさすら感じるその抱擁が今は心地よかった。私が背中に手を回すと震える手で抱きしめ直すマルコ。
その力強い温もりに3年間の辛さ、孤独、恐怖色んなものが込み上げていた。
『…ぅ……マルコ……ッ…ただいまッ！』
「……ッ…おかえり、アイリン…！」
心配をかけてごめん。
待っててくれてありがとう。
伝えたいことは山ほどあったけどそれしか言えなかった。
うおおおおお！とガタイのいい男たちがさらに団子のように抱きついてきて埋もれそうになりながらみんなで泣いていた。
息ができないほど潰され、すぐにギブギブと手の動く範囲でバタバタと動かした。
「お前らアイリン殺す気かよい！潰れちまうだろうが！」
「一番最初に抱きついたマルコに言われたかねェよ！つかアイリンちゃん、大丈夫か？感極まって抱きついちまったけど男苦手だったのに」
『今でも嫌いな奴はいるけど、みんなは大丈夫！もう家族だもん！』
「「「「アイリン〜〜〜〜！！」」」」
大丈夫とは言ったけど殺されるのは勘弁。
誰か助けて。
「ったく、少しは休ませてやれ。
アイリンはさっきひとりで20人あまりの海賊を倒したばかりだ。さらに疲れさせてやるな」
うしろから手を回し、飛びついてこようとした男たちを止めてくれたのはイゾウだった。
正直あの程度の海賊相手にそんなに疲れてはいなかったけどこっちで押しつぶされる方が疲れる。
「それなら俺がアイリンちゃんのためにうめェ飯作ってやるよ！オムライスでいいかい？」
『やった！サッチさんのご飯久しぶりだ！』
「うぐ……久しぶりのアイリンちゃんの破壊力…」
「さっさと行けよい」
1度ナース室に荷物を置きに行くとこれまたナースたちに押しつぶされながら泣いた。
3年間、どれだけ辛かろうが寂しかろうが泣かなかった。
その分が一気に溢れたように大泣きしてしまった。
誰かが一緒に泣いてくれる、これほど幸せなことがあるのかと思い知った。
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葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
