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※今更ながら主人公ちゃんかなり海軍ヘイトです。
不快にさせてしまったら申し訳ございません。
○
これが最後だ。
今持てる体力と覇気、能力の全てを使ってでもこいつはここで止める。
女にだって譲れないものはあるんだよ。エース。
大好きな人は、守りたい。
熱いマグマを頭から被りながら拳に蹴りに攻撃の手は絶対に緩めない。相手の攻撃をすり抜けると言っても熱気自体は感じる。
その異常なまでの暑さは僅かな体力をじわじわと削っていく。
「顔色が悪いのう。そろそろ引導をくれちゃろうか」
『…あんたこそ血ィ出てるけど大丈夫そ？』
「ほざけ。貴様がどれだけ時間を稼ごうと結果は何も変わらんちゅうのがまだ分からんか」
『…私を殺して、怒られてもしらねーよ？』
「貴様のようなネズミ1匹殺したところで今更なんともないわい。もうわしは貴様を生かしておくつもりはないけぇのお」
『それはそれは。どうせ捕まれば生き地獄。殺された方がまだマシではあるけど。
生憎あんたにあげられる命は持ち合わせてないわ』
「正しく生きれん貴様のような人間には生きる価値などなしというちょろうが！」
能力の使いすぎで身体が内側からやられていくのが分かる。
もう、長くは持たない。
けど、足も手も止めるな。今止まったらもう二度と体は動かせない。
こいつの言葉は響かないと言ったが、頭にキてないわけじゃない。とことん嫌いだ。
赤犬の首をつかみそのまま投げ飛ばし、そして飛ばした先で黄猿にしたのと同じ攻撃を繰り出す。
「ッぐ…！」
『そんなに偉いのか、海軍ってのは。
人の生きる価値を勝手に決められるほど、天竜人でもないただのお前らがそんなに偉いのかよ。
天竜人に媚びへつらい、私たちのような踏みつけられる人間は見ないふりをして、上納金を払えない貧しい国は切り捨て、その都合のいい人達だけで作った都合のいい組織の上に立てばそりゃさぞ絶景だろうねェ！！
分かってねェなら教えてやるよ。
お山の大将気取ってんのはてめェらだよ海軍！！』
心臓を潰す…！
高く振り上げた拳をやつの左胸に突き立てた。
が、
心臓が嫌な音を立てたのは私の方だった。
振り上げたままの手は殴り下ろすことも出来ず、固まってしまう。
能力が、解ける。
「限界じゃあ」
効果なしかよ、くそ……
煮えたぎる赤犬の拳が目の前まで迫る。
『ッあ“ぁぁぁぁあぁあぁ』
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月12日 8時
