運命の炎の糸-3-【白ひげ海賊団】 (ページ46)

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『シャロンにとって、この船と船長さんってどんな存在？』

「唐突ねぇ？

そうね…前も言ったかもしれないけど、親父さんは偉大な人よ。

一歩外に出れば世界最強の男と呼ばれ、弱きを救い、はみ出しものに手を差し伸べる懐の深い人。
でもこの船じゃいくら止めてもお酒は止めないし、ケチなところもある、世間一般の頑固オヤジってとこね。

この船は親父さんとみんなと幸せに暮らせる大きな家のようなものよ。私もこの船に乗せてもらってかなり経つけど幸せよ」

・

『ティーチにとって、船長さんってどんな人？』

「ぜはははは！珍しいな、アイリン。

そうだなァ…俺には親がいなくてな居場所もなかった。そんな俺を拾ってくれたのが親父だったんだ。

親父はどんな人だって聞いたな、親父は恩人だ！後にも先にも俺ァあの人にしかついて行かねェさ！」

・

『サッチにとって、船長さんはどういう人？』

「ん、親父？そうだなァ…なんつーかな、親父は本当にすげェ人だ、上手く言葉にゃできねェが。

知ってるか、親父の家族はここに居るやつだけじゃなくてなまだまだいっぱい居るんだぜ？傘下の海賊の数を数えれば5万はくだらねェんだ。

とんでもねェひとだろ？」

・

『イゾウにとって、船長さんはどんな存在なの？』

「俺にはこの船に乗る前別の主君がいてな、その人を追って俺もこの船に乗ったんだ。俺も若くてなァ、その方が親父に酷い目に合わされて親父には暴言を吐き散らしたもんだ。

そんな俺まで親父はこの船に乗せてくれてな、その後主君は別の船に乗り移ったが、俺はここに残った。

あの人の生き様を見届けたくなっちまったからだ。今や俺は16番隊の隊長だ。親父は命を懸けるに相応しいひとだ」

・

『ねぇ、マルコ。船長さんってどんな人？』

「なんだ？お前も会っただろい」

『マルコにとって、どんな人？』

「俺にとっての親父？ふはっ

親父は親父だよい。親父が俺たちを息子と呼んでくれる限りあの人は俺たちの父親だ。
世界でいちばん偉大な俺たちの親父だ。

このマークは俺の誇りだよい。

親父は昔から桁外れの強さを持っていたが人を支配したり屈服させるようなことはしなかった。いつだって俺たち嫌われモンや弱い人たちの味方だった。

そんな海賊他にはいねェだろい？

親父は最高の海賊で、最強の俺たちの親父だ」

『そっか』

私がこの船に乗って4ヶ月。約束の半年まであと2ヶ月。

もう答えは出つつあった。