【期間限定！？】みかん福袋！！ (ページ5)

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ゴミはポイ捨てされ、タバコの吸い殻もあちこちに捨てられている。

それを見たみかん人間のなんとか袋の尾がポム～ン切れたような取れたとような飛んでいった気がした

「みかん・秘✡奥義！ダビデの華！」

そう叫ぶと、まるで高速列車のようにゴミを拾っていくみかん人間を見て、周りの人は『なにやってんの？蜜柑！？ウケるぅ～』『インスト映えするよ～！』とかなんとかバシャパヒャ写真を撮られている。

てゆうか、これ奥義かよダビデ関係ねぇし。

でも、みかん人間がごみ拾いを自主的にするとは思わず、少し尊敬する。新歌ちゃんはキラキラとドキドキが混じった目でみかん人間を見つめている。

「駄目だぁ！こんなにゴミが！」

そのみかん人間に驚愕する。ゴミ袋を30袋ほど軽々と抱えている。このみかんの力知れず……

すると、いつの間にか周りからパチパチパチパチと拍手が起こった。

さっきまで喚いていた若者も、ゴミを散らばしていた奴らも決まり悪そうに自分のゴミはちゃんと処理した。

「お、俺たちもごみ拾い手伝うぞ！」

その中から穏和な顔をした中学生くらいの少年がみかん人間に近づく、すると、みかん人間は何かに気付いたように電気がはしる。

「あの時の水虫くん！？」

「ぇ……ぁ……誰ですか……」

だが、少年は苦笑いを浮かべてしまう。きっとまたみかん人間の……

「え？トマトが好きな……」

「いや、あまり好きでは……」

駄目だ、こりゃ一足遅かった。なんだか気まずくなっていたのでその空気を打ち消そうと僕が「みんなでゴミ拾おう！」と言う。勇気がない僕にとっては相当緊張した。一応おー！と返してくれた人は何人かいてのり良いなと微笑んだ。

最初は少数だったが、バツが悪くなったようでほとんどみんながごみ拾いに参加した。

「お……終わった！」

みんなの協力のおかげで公園は、以前よりもきれいになったように見えた。

いい事をするといい気分だなと思い、一人でうなずいていると遠くでみかん人間が僕の事を呼んでいる。

「水虫くんが一緒にご飯食べようだってぇ！！」

「え！？良いの？？」

僕は走ってそっちに行くと少年が微笑んだ。

「はい！僕、水野虫です！」

水野虫……？水虫……意外と近い！？まぁそんなことはどうでも良い。楽しければ良いや！

僕の視界の隅には早々と弁当を頬張るみかん人間が映っていた。

僕は思った。蜜柑以外も食べるんだぁ～……と