第十一みかん・この話のばすのかよ!(弐) ページ22
「仲いい?……そう見えるかな?」
エヘヘ、と髪の毛をいじりながら照れているカノンちゃんを見て、
僕は勢い良くうなずく。
かわいいなぁっ だけど、恋愛とかは無理だなぁ。
いや、でも、毎日可愛い姿が……
僕は変な下心がどんどん出てきたので、思いっきりフタをしめる。
カノンちゃんは無双くんとくっつけるのだ。
僕の目標はただそれだけだ。
「ムソウくんね、とっても良い人だよ。 なんにでも一生懸命。 大袈裟なところもあるけど」
カノンちゃんはそう言って肩をすくめる。
僕は、ふんふん、と相づちを打ちながらメモに書く。
あんまりメモ帳を使うことがなく、バックの奥の方にグシャグシャに入っていたので、使いふるしみたいなことになっている。
「えらいね、メモ取るなんて。 きっと黒沢くん仲良くなれるよ。 ムソウくん、結構すぐ落ち込んじゃうからなぐさめてあげてね。」
ニコリ、君は微笑んだ。
ポトリ、僕はとメモ帳を落とす。
すると、カノンちゃんはいどーぞ と拾ってくれた、
ヤバイ。 マジでヤバイ。
これは、絶対惚れずにはいられないって。
可愛い雰囲気だだもれだもんな。
メモ帳を受けとると、僕はむっほー! と逃げるようにその場を去った。
*
帰りは、今日もみかんは新歌ちゃんと。
ラブラブなんだから、もう。
そして、やっぱり僕は無双くんと、セミの声がうるさい道を歩いていた。
「無双くん」
「なんだ? ドッチボールでもするかー!?」
「カノンちゃんと話したよー、ドッチは、やらなーい」
なぜドッチボールになったのかは不明だし、
こんな暑い中運動したくない。
そこで、 カノンちゃんと話した と言うと、それだけで、えーっ! と言う顔になった。
「カノンちゃんとかー!? そして、なんだ、なんなんだーっ!」
ぐわし、 と頭を捕まれ今にも脳みそがつぶれそうな激痛が走り、今年一番と思われる叫びをあげると、無双君は、 あ、すまん と、足を軽く踏んでしまったくらいの軽い謝り方をして、僕を離す。
いてぇいてぇ とぶつぶつ言っていると、後ろから怪しい歌が聞こえてきた。
「キミーーの心にミカン汁ー! トイレの消臭ーー! 紙飛行機のーー着陸失敗 行き先はーーードブーー 」
みごとなハーモニーを作り上げている男女の歌声。
この声には、はっきりと聞き覚えがあった。
冷や汗がたらたらと頬をつたるので、僕ははや歩きになった。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←#
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
味官大佐総尾音君@パフェは蒸発した(プロフ) - みなとS*さん» ありがとうございます!w 無双くんのやつですねー、好きっていってもらうと嬉しいです! (2018年8月14日 15時) (レス) id: c61f0fc135 (このIDを非表示/違反報告)
みなとS*(プロフ) - イミフすぎて逆に笑えましたw第三ミカン好きですwww (2018年8月4日 21時) (レス) id: b07a96ee40 (このIDを非表示/違反報告)
たて笛戦士味官パフェ大佐ーもう無理無理〜(プロフ) - 夜桜 つくさん» ありがとうございます! 頑張ってみます(._.) (2018年7月22日 13時) (レス) id: 35c93b046a (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 つく(プロフ) - Q &Aを見て来てみたのですが…面白いですね!間を2マス開けて書くと見やすいかもですよ!文字数にまだ空きがある場合は二マスでやるといいかもです! (2018年7月14日 7時) (レス) id: 894a89900e (このIDを非表示/違反報告)
たて笛戦士味官パフェ大佐(プロフ) - 心の雨と虹の空@写真は載せられないさん» ありがとうございます!m(_ _)mm(_ _)mやる気が湧いてきます!コメントありがとうございます (2018年4月21日 16時) (レス) id: d593ca0871 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ