【銀魂】己の行く道 途切れた糸【土方十四郎】

よそよそしい ページ13

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屯所から出てから、私は冬へと染まりつつある江戸の街へと繰り出し、歌舞伎町に入る前にとある団子屋さんに立ち寄ることにした。銀時は知っての通り極度の甘党だ。この間のお礼をと思って考えたけれど、甘味を持っていくのが一番喜ぶ気がした。従業員ちゃん達も食べるだろうし。ということで、お団子屋さんに足を踏み入れた。


「持ち帰りで、みたらし……そうだな……50本くらいください」

「ご、50本！？」


神楽ちゃんがたくさん食べられるようにと思い、それくらいを注文した。銀時がアレだし、どうせロクなご飯にありつけないだろうし。それくらいあれば三人分足りるだろうということだ。驚愕の声を上げたおじさんは、戸惑いながらも「し、少々お待ちください」と言って厨房へと引っ込んで行った。

50本も頼んだし、それなりに時間が掛かるだろう。私は店内にある待合用の椅子に腰掛け、待つことにした。思い返せばここは、確か以前土方さんと来たことがあるお店だった。初めての見回りの時に、私のお腹が減ってしまった寄ったのだ。このお店の窓を眺めて、銀時のことも見つけて。

そんなこんなで、思い入れのあるお店だった。それからというのも、度々ここには何度か足を運んでいるのだ。そして、沖田くんのサボり場所の一つでもある。


……椅子に座って、天井を見上げながら、私は頭を巡らせる。あまり考え事はしたくないけれど、話し相手も居ないこういう時間は嫌でも何かを考えてしまう。


……最近、土方さんの様子がおかしい。

私が晋助と再会した日からだろうか。それくらいのタイミングで、土方さんの私に対する態度が、なんだかよそよそしい気がしていた。まぁ、真選組のほとんどが、私を気遣って、少し大人しいような感じはするけれど。近藤さんは無駄に明るく接してくれるし、ザキも気を使ってる感満載だし。唯一沖田くんはいつも通り。でも、私の過去に関して根掘り葉掘り聞いてくることはない。

沖田くんのことだから、そういう何かの事情を掘り下げるのは大好物なのだろうけれど。何も聞いて来ないのは、有難いことだった。


…それにしたって土方さんは、そんな彼等の中でも一番おかしい。

下ろしたままの髪を指に巻き付けながら、考える。


……心当たりは、一つだけ、あるのだ。


けれどそれは、私が言っていいことではないけれど、正直ちょっとキツいものだった。認めたくはない。でも本人からそう言われてしまえば、言い返すことは出来ないもの。頷くことしか、出来ないもの。


…土方さんが私によそよそしい、その理由。


…それは、

思い当たる理由→←何処に

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