急な物忌み ページ4
「物忌み?セッちゃんが?」
「はい、なんでも急に申されまして」
『何の話をしてるの?』
居間に来るとツカサとリツの会話が耳に入った
二人もAの存在に気付くと座るスペースを作り、座らせた
「なんでもセッちゃんが急に物忌みをするって言ってね。ちょっと引っかかるんだよね」
『物忌みって?』
「ああ、そう言えばAさんが来てからは一度もしていませんものね」
「物忌みってのは心身の穢れを祓うために一定期間、部屋に籠ることだよ」
他にもいろんな意味があるらしいけどね。とリツが説明する
「特にイズミさんは元は神の眷族だったので穢れなどの邪気に弱いんです」
『だから、よく水行なんかもしてるの?』
Aはよく水行のために裏山に向かうイズミを思い浮かべるが
リツは首を横に振る
「いや、セッちゃんが水行をするのは元々体の中にある邪気を清めるためなんだ。だから、物忌みとは少し意味合いが違うね」
リツの瞳が鋭く光る
「それにしても引っ掛かる」
「・・・?どうして引っ掛かるのですか?」
ツカサとAは首を傾げる
「だって、セッちゃんは今まで物忌みは一定の間隔をあけてやっていたじゃない?」
「確かに・・・以前イズミさんからあまり物忌みをしすぎるのもよくないと聞きましたし」
「前回の物忌みっていつやったっけ?」
「・・・Aさんと出会う数日前です」
「セッちゃんの物忌みをするのに毎回どのくらい間隔を開けてる」
「一年ごとですね」
ここでツカサもAもリツの引っ掛かりに気付く
『・・・まだ前回の物忌みをしてから半年もたってない』
「その通り、なのにあのセッちゃんが前置きもせずに急に物忌みを始めた」
「確かに引っ掛かりますね」
(裏を返せば・・・)
『急に物忌みをしなければいけないほど、イズミは邪気が溜まっている?』
Aの言葉にリツは小さく頷く
「その可能性が高いね」
Aは自分の鼓動が不安で速くなっているのを感じた
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御霊t(プロフ) - 花鈴さん» お気づかい、コメントありがとうございます。楽しく読んでくださり作者としては嬉しい限りです。私としては冬は好きなのですが、寒さには弱く家に引きこもる日々が続いています。ですが、できる範囲で頑張りますので、これからも応援よろしくおねがいします (2019年2月10日 22時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴 - 初めてコメントさせていただきます。いつも楽しく読ませて頂いております!持病をお持ちなのですね。まだまだ寒い日が続きますしどうぞご自愛ください。これからも応援しています。 (2019年2月10日 20時) (レス) id: 0fa2481ff6 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - 萩さん» コメントありがとうございます。受験生なのですね、私の方こそ応援しています。勉強、頑張ってください。また、この小説を息抜きに読んでくださりとても嬉しいです。体の負担にならない程度にこれから更新頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします (2019年2月9日 22時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
萩 - ひぇぇぇぇ...持病をお持ちだったんですね... 私は受験生ですが、この小説をよく息抜きに読みます。 作者さんの辛さは、私の比ではないかも知れません。無理をしない程度に、頑張って下さいね。応援しています。し続けます! (2019年2月9日 22時) (レス) id: 94abb9a787 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - あきなさん» ありがとうございます。温かいコメントに感謝します。語彙力が乏しくうまく物語を伝えられているか、更新するたびに不安になりますがこのようなコメントをいただいてとてもほっとしています。これからも自分のペースで頑張っていきたいと思います (2019年2月9日 21時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御霊t | 作成日時:2018年12月15日 14時