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嘘つき ページ14

冷たい何かが頬に当たりAは目を覚ました



あたりはうす暗く、じめっとしている



目が暗闇に慣れたことで段々と視界が鮮明になって来た時だった









「ああ、やっと起きたんだ」









声のする方をみると悠然とAを見下ろすイズミの姿があった



禍々しい呪印がイズミの体全体に巡り、心なしか瞳の色も霞んで見える









『ここはどこ?』









あたりを見渡せばどうやら洞窟の中のようだ



天井から落ちてくる滴が異様に冷たく感じられる









「ここはかつて俺が水神の眷族として生きていた村の近くの洞窟だよ。ここまでくれば、あいつらは追っては来れないでしょ?」









妖しく笑うイズミにAは無意識に恐怖を感じる









『どうして私を連れ出したの?』



「そんなの簡単な事、あんたは俺の生け贄なんだから。まずは邪魔な奴らから遠ざけないとね」









生け贄という言葉に体温が下がっていく



そんなAのことなど露知らずイズミは力強くAを抱きしめる







「やっと手に入れた・・・俺の生け贄・・・」







イズミの体はまるで氷のように冷たく触れているだけでこっちまで凍ってしまいそうだ



カタカタ震えるAにやっと気付いたのか腕の力を緩める






「初めてだった、人間に助けられてのは・・・こんなにも一人が怖いなんて、思わなかった」








ぼそりと聞こえたイズミの声に違和感を感じる








(さっきと雰囲気が変わった・・・?)







「お願い・・・お願いだから、俺を見捨てないで・・・一人にしないで・・・」









縋りつくかのようなイズミの言葉にAは困惑するしかなかった









『イズミ、言われなくても私はイズミを見捨てたりしないよ』



「・・・本当に?」



『うん、本当』



「・・・き、・・・つき」



『イズミ?』






顔を覗きこむAをイズミは思いっきり押し倒す








「嘘つき!嘘つき、嘘つき、嘘つき!!」








静かだった洞窟内にイズミの荒げた声が響く









肩を抑えるイズミの手の爪が食い込む



痛みで顔を歪めるAにイズミはさらに続ける









「そう言っておいて、あんたも結局俺を裏切るんでしょ!?俺から離れていくんでしょ!?もう同じ手は効かないよ」







Aを睨みつけるイズミの瞳がさらに鋭さを増す

お守りの短刀→←常連客の青年たち



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御霊t(プロフ) - 花鈴さん» お気づかい、コメントありがとうございます。楽しく読んでくださり作者としては嬉しい限りです。私としては冬は好きなのですが、寒さには弱く家に引きこもる日々が続いています。ですが、できる範囲で頑張りますので、これからも応援よろしくおねがいします (2019年2月10日 22時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴 - 初めてコメントさせていただきます。いつも楽しく読ませて頂いております!持病をお持ちなのですね。まだまだ寒い日が続きますしどうぞご自愛ください。これからも応援しています。 (2019年2月10日 20時) (レス) id: 0fa2481ff6 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - 萩さん» コメントありがとうございます。受験生なのですね、私の方こそ応援しています。勉強、頑張ってください。また、この小説を息抜きに読んでくださりとても嬉しいです。体の負担にならない程度にこれから更新頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします (2019年2月9日 22時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)
- ひぇぇぇぇ...持病をお持ちだったんですね... 私は受験生ですが、この小説をよく息抜きに読みます。 作者さんの辛さは、私の比ではないかも知れません。無理をしない程度に、頑張って下さいね。応援しています。し続けます! (2019年2月9日 22時) (レス) id: 94abb9a787 (このIDを非表示/違反報告)
御霊t(プロフ) - あきなさん» ありがとうございます。温かいコメントに感謝します。語彙力が乏しくうまく物語を伝えられているか、更新するたびに不安になりますがこのようなコメントをいただいてとてもほっとしています。これからも自分のペースで頑張っていきたいと思います (2019年2月9日 21時) (レス) id: 84fe06f180 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御霊t | 作成日時:2018年12月15日 14時

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