探偵社のあの子は衝撃の人物だったみたいです

37話 ページ39

鏡「.....ﾓｸﾞﾓｸﾞ」

敦「.......」

国「.......」

『.......』



橘堂のメニューを見て固まる敦



鏡「おかわり」

敦「！？
国木田さぁん」

国「俺は払わんからな」

敦「とほほ...」






国「───それで？」

鏡「両親が死んで孤児になった私をマフィアが拾った
私の異能目当てに
『夜叉白雪』はこの電話からの声だけに従う
だからマフィアは...｣

『それを利用して暗殺者に仕立てた...』

敦「じゃあ携帯電話を捨てれば」

鏡「逆らえば殺される
───それに、マフィアを抜けても行く処がない」

国「電話でその夜叉を操っていたのは誰だ」

鏡「.....芥川という男」




驚いた顔をする敦
黙って下を向く鏡花
まるで判っていたかのような顔をする国木田とA



国「...そうか
俺は社に戻って報告する
...敦、A」



顎で合図する国木田
その合図で廊下に出る敦とA



国「娘を軍警に引き渡せ」

敦「.......！」

『でもそんな事したら...』

国「35人殺しなら
────まず死罪だな」



血相が変わる敦とA



国「だがマフィアに戻しても裏切り者として刑戮される」

敦「そんな！」

国「ならお前が助けるか？」

『...........』

敦「.....」

国「極刑の手配犯でマフィアの裏切り者
その不幸を凡て肩代わりする覚悟がお前にあるか？」

敦「.......それは」

『.....敦様
不幸の淵に沈む者に心を痛めないでとは云いません
...しかしこの界隈はあんな感じの不幸で溢れています』

敦「.......」

国「...お前のボートは一人乗りだ
救えない者を救って乗せれば
────共に沈むぞ」



そう云って立ち去る国木田



『...敦様...これを』



敦に少しの金銭を預け立ち去るA



敦(でも.....だとしたら



太宰さんは何故僕を助けたんだ？)

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