【センラ】社畜リーマン歌い手はお腹が空いているようです

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「もしもし、うらたん？」



リーダーからの着信にそう応える。

まさか自分が体調を崩して倒れるとは思ってもみないことだった。メンバーからなんと言われるだろうか…。おそらく心配をかけてしまうだろう。



『センラ？お前大丈夫か？先週、次はこの時間でって決めたよな？
メール何回も送ったのに既読もつかねぇし…』



そうだった、今日は月ラジの日だ。先週眠気と戦いながら必死に参加したのは覚えているが今日のことはすっかり忘れていた…。



「ごめんうらたん。僕さっき倒れたんです」


『えっ！！？？』



うらたんの大きい声が頭に響く。少し痛い。



「だから今日のは休ませて貰えませんか。連絡出来なくてごめんな」


『た、倒れたって…どういうことなんだよ。大丈夫なのか？』


「はい、なんとか。この事志麻くんと坂田にも伝えておいてくれへん…？」


『…わかった』



そう言って会話は終了した。


自分の不甲斐なさによって周りの人に迷惑をかけてしまったことを申し訳なく思いながらスマホの電源を切る。



「ご友人からですか？もしかして用事とかありました？」



もちろん自分を助けてくれた彼女にも、だ。



「はい、用事もあったはあったんですけど…。休ませてもらいました」


「それがいいです。今はゆっくり休んでください。
…あ、何か食べますか？いきなりは食べられないでしょうから何か軽いものでも…」



自分にこれだけ気をつかってくれる人間がいることが、今は単純に嬉しい。
今だけは彼女に、Aさんの優しさに思いっきりあやかることにした。



「はい、お願いします」

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