【リレー小説】希望と絶望、人類の【第1頁】 (ページ2)

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２.眠気と失笑【レネ・シルバ/みりばら】ページ2

入学式と書いて話が長いと読む……この学園も例に漏れずただただ単調な説明が続き、生徒の多くが舟を漕ぎ始めた。
話し声が聞こえないのは、前で話している絶望王の圧力によるものか、それとも皆話し相手が居ないのか

僕、レネ・シルバも式開始15分で抗いきれない眠気に襲われている。何とか意識は繋いでいるけど……いつ連れて行かれるか｡そもそも王様の話し方が悪いんだ、希望王と人類王はゆったり話しすぎだし、絶望王の声は聞き慣れてるし。

いっその事寝てしまおうか

そんな考えが脳裏をよぎる
でもなぁ……今誰も寝ていない(と思われる)状況で一人だけ寝たら……悪目立ちするよなぁ
誰が最初に限界を迎えるか最悪のチキンレースが式の裏で起きていた。

ダメだ、寝る

ついに限界が来てしまった。もういい、学校にいるレネは女だったってことにすれば……誤魔化せるかな、何人に“使えば”いいんだろう……
と最悪のケースをシュミレーションしていたとき、周囲がざわつき始めた。ステージを見ると、王族が挨拶をするようで、
一人の女の子がステージ上で固まっていた。
綺麗な髪、謎のオーラのような煌めき

そうか、これが王族か

と、ステージ上の彼女が口を開き、こう言った。

「初めまして。人類王の娘、リリィ･アイリスでしゅっ…」

堪えきれず笑ってしまった。目立っている。彼女は少し涙目でこちらを見ている。

ああ、終わったな