Doll＊30 ページ30
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…それにしても、本当に居んのかな。
俺達に会うのが怖くて、未だに部屋から出て来て
ないんじゃ…。
顎に手を当て悶々と考え混んでいると、くいっ、と
シャツの裾を引っ張られた。
零『ん？どうした？』
凛月『お兄ちゃん、あれ…』
凛月が見つめる遠く先の一点。
目を凝らしてみると、柔らかい花々の色に混じり
動く夜闇の色。
____俺達と同じ、黒。
凛月の手を引っ張って、その場所に向かう。
その子は俺達が近づいていることに気付きもせず
ただ静かに花々を眺めていた。
距離を縮めるごとに鼓動が早くなる。
こんなに緊張したのは、生まれて初めてだ。
凛月『……』
それは凛月も同じようで、俺の手を力強く握りしめ
てきた。それを俺は「大丈夫」「俺も同じだよ」と
言い聞かせるように握り返す。
距離が数メートルになっても、妹はまだ俺達の
存在に気づかない。
俺は母さんに教えて貰った、この子の名前を呼んで
みることにした。
.
零『A、』
.
ゆっくりとこちらに向けられる顔。
それはまるで、スローモーションのようだった。
A『おにい、ちゃん…？』
少しウェーブのかかった黒髪に、
ルビーの瞳。
まさしく兄妹である"シルシ"だ。
俺達を呼ぶ声はどこか幼いのに、子供ながらに妙に
色香を感じたのはきっと母さんに似ているから。
ふと凛月に目をやると、顔を真っ赤にしていた。
異性をこんなに可愛いと思ったことはない。
いや、そもそもあまり異性に関心はないけど。
…それでも、この子だけは別格だ。
この子は、人を…俺達を惑わせる力がある。
そう確信したのは、俺の体内を駆け巡る血が沸々と
湧き上がるような熱を感じたから。
___熱い。カラダが、熱い。
透き通るように白い肌、桜色の唇。
すべての美しさが毒となり俺の心を蝕んでいく。
__あぁ、いけないことだと分かってるのに。
零『A、』
俺は膝を折ってAの目線に合わせると
その小さな手を持ち上げ、握りしめて言った。
零『怖くないから。
…お兄ちゃんたちと、楽しいこと、しよっか？』
兄としての矜持なんてどこにもない。
あるのは男としての欲だけ。
無知の幼い少女を騙すのは心苦しかった。
…でも、本能が叫んでる。この子を、欲してる。
.
この瞬間、俺と凛月の瞳は赤黒く色を変えた。
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甘い缶詰(プロフ) - 好きの一言につきる。更新頑張ってください。 (2020年4月8日 0時) (
レス) id: a8efbdff26 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - 追記:注意コメ(？)にて誤字をしてしまい文が可笑しくなってしまいましたが気にしないでいただけると幸いです。(駄文、長文、連投失礼しました) (2019年7月23日 16時) (レス) id: 3bb4ad65c6 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - すみません急にこんなこと書かせてもらって…この作品が好きだから言わせていただきました(決してうんこ姫様(名指し失礼)がこの作品が嫌いだからという意味ではありません)改めて、見るのは2回目くらいにですが相変わらず面白かったです♪また更新される日を待ってます (2019年7月23日 16時) (レス) id: 3bb4ad65c6 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - うんこ姫さん» どう読むかは人それぞれですが流石にそれは酷いと思います。それに、そんなことしなくてもこの作品は面白いでしょうに…推しの作品でそんなこと書かれて不愉快です。他人がそれを見て他人がどう思うかちゃんと考えてからコメントしてください。 (2019年7月23日 15時) (レス) id: 3bb4ad65c6 (このIDを非表示/違反報告)
あぷりこっと＠ぜるだぁり(プロフ) - 椚先生優しい･･･！ (2018年2月21日 13時) (レス) id: 3496ac6a23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴーちぱい。 | 作成日時：2016年3月12日 21時
