13話 ページ14
あの後、俺らはほとんど会話せずに食事を迎えた。
ひとらん先輩が1口食べる……口に合うだろうかと不安に思ったのもつかの間、目を輝かせて美味しい！と言い、パクパクと食べ進めてて安心した。
そしてご飯も食べ終わり、一息ついた頃。不意にひとらん先輩が口を開いた。
ht「ねぇ、Aくん。」
『はい……っ』
叱られる。そう直感的に思った。
しかし、返って来たのはあまりにも意外な言葉だった。
ht「俺ら……生徒会のこと。どう思う？」
『？』
ht「……俺も獣人だから。A君の気持ちはよく分かる。しかも、A君は可愛いから、きっと多くの人に変な目で見られることも多かったんだろうね。」
『っ……』
ht「でも、彼らは、生徒会の奴らは……俺を獣人じゃなくて、ひとらんっていう個人を大切にしてくれた。……きっと、それはAくんも短い間だけどわかるはず。」
ひとらん先輩はひとつひとつ言葉を丁寧に選んで話してくれた。
ht「俺らは、決して君の敵じゃない。
君が困っていたら必ず助ける。
……ほら、今日だってそうだったでしょ？あの時、ゾムは、シャオロンは、鬱は。自分たちが負けるかもしれない状況より、君という仲間を守るために闘ってくれたはず。少なくとも、俺にはそう聞こえる。」
そうだ、そうだった。たしかに彼らは俺に対して差別したことなんてなかった。
でも、
『俺は……自分の無力さが嫌なんす。今日だってそうだった。責められたのは俺なのに、あいつらに任せっきりで俺はなんにも出来なかった……っ。もし、仲間や獣人が俺と同じ状況に陥った時、俺は、俺には何が出来るのか……っ』
ht「いいんだ。」
『え……？』
ht「いいんだよ、出来なくても。」
『なっ……！』
ht「そのために俺らがいるんだから。……分からないって顔してるね？俺らは、生徒会。チームなんだ。だから、出来ないことは頼っていいんだ。ひとりじゃ出来なくても、大人数なら出来ることはあるから。
だからグルッペンは仲間を増やした。……最初、召使いのように働かされるのかなって思った。でも、そこに獣人のトントンがいたんだ。……びっくりしたよ。こんな幸せの形があるのかって。
俺は、1人じゃなんも出来ない。だから皆に頼って、そして生きているんだ。
補って、助け合って生きていく。……だから、俺らが困った時は、A君。俺達のこと、助けてね？」
枯れたと思っていた涙は、また溢れてしまった。
泣かないでと先輩が言う。
静かな夜は、だんだん明けて行く
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白銀狐 - マジでありがとうございますっ！続きマジで楽しみにしてます！ (2023年1月25日 18時) (
レス) @page35 id: 46fb34583d (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - きゃぁぁぁぁ！終わってないっ！！うれちぃぃい！！(逃げるどころか追いかける←) (2020年3月12日 18時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
いちま(プロフ) - TARAKOさん» めっちゃありがとうございます！！！おかげでなんとか！！ぎゃんばるやす (2020年3月12日 18時) (レス) id: 871efea391 (このIDを非表示/違反報告)
いちま(プロフ) - 虚さん» 残念！まだ終わってないですね........まだ付き合ってもらいますよ！！(逃げろ) (2020年3月12日 18時) (レス) id: 871efea391 (このIDを非表示/違反報告)
いちま(プロフ) - コメント嬉しかったから今しちまったぜ☆明日も更新しよう！（できたら） (2020年3月12日 18時) (レス) id: 871efea391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちま | 作成日時：2019年8月9日 20時
