大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ1)

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1.出会いページ1

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大倉くんが好き。

わたしはなんと言おうと、大倉くんを見ていたい。

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高校1年生の春。
大倉くんに出会った。

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石原一花ちゃんという、大倉くんの幼馴染と
私がたまたま仲良くなったからだ。

いちかちゃんは、本当に美人で
わたしとは正反対。

明るくて、元気で、それでいて気さくで。
入学式にオドオドしていた私に「体育館一緒にいこう。わたしら出席番号前後らしいで！」と

最高の笑顔で言ってくれたのが彼女だった。

そんな一花ちゃんに、友達になりたいという感情を抱くのに時間は掛からなかった。

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そんな入学式が終わった後の教室で

「はじめまして…」

大『…誰。』

怪訝そうな顔で、そう言われたのが始め。

一花「わたしと同じクラスのA！
忠義も、Aって呼んであげてな！」

大『…ふぅん。』

直感的に、"この人に好かれてない"と悟った。
というか好かれる未来さえ見えなさすぎて
気まずかった。

出会った入学式から、少し時間が経っても
それは変わらないのだけれど。

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大『一花のお弁当美味しそー』
一「はっ？ちょっと！取らんといてや！？」

「あっ一花ちゃん、」

お昼休み。

2人がお弁当で争った反動で、一花ちゃんの
卵焼きが地面に落ちてしまった。

最悪や〜…と涙声で嘆いたあと、
すぐにキッ！と隣の大倉くんを睨んだ一花ちゃん。

これはまた1悶着あるかもと感じた私は

「私の、、あげる」

自分も大好きな卵焼きをあげることにした。

一「えっA…いいん…？」
「うんっ…」

一「いいやろ！忠義！絶対あげへんからな」
大『は？いらんわ』

傷つくなあ…そんなハッキリ言われると。

下を向いて、ぽつぽつ食べてると
視線を感じて、、顔を上げたら大倉くんが。

「(めっちゃ睨まれてる……)」

怖すぎ…！

一花ちゃんと仲良くなったのが、そんなに悪いことだったのかな。大倉くんにとっては。