海に出て愛される【ONE PIECE】 (ページ19)

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Aの抵抗も虚しく謎の力によって男にどんどん近づいていく。

あと数歩もあれば男との距離はゼロだ。

「離してください」

Aが睨むと男は一層口角を上げて指を上に持ち上げた。

その途端武器は斜め上に持ち上がり、Aも一緒に引っ張り上げられる。

そして着地したときには先程のひっぱられる力がなくなり、Aはバランスを崩した。

前のめりになりながら目をとじ、衝撃を待つ。

しかし衝撃は来ることなく、かわりに顎を何かに掴まれたようだ。

目を開くと先程のサングラスの男の顔がすぐ目の前にある。

どうやらこの男に顔をつかまれているようだった。

「フッフッフッフ、悪くねぇツラだな」

Aの顔をグイと引っ張りながら男は告げる。

「なぁお嬢ちゃん、海軍に首輪つけられる前にオレのもとに来る気は無ぇか？」

「……はい？」

「俺のファミリーに迎えてやる」

「頼んでないです」

「頼み？

フッフッフ、そんな甘ぇことを言ってもらえると思ったか？

海軍じゃあるまいし」

「海軍じゃない……？」

そこでAの記憶がぼんやりと蘇る。

会議室のようなところで海軍大将の向かいに座っていた明らかに海軍ではない、異質な存在を思い出したのだ。

「王下七武海……」

「やっと、思い出したようだな。

ドンキホーテ・ドフラミンゴ、ついでに覚えておけ」

そう言って目の前の男はニヤニヤ笑っていた。