海に出て愛される【ONE PIECE】 (ページ18)

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「こちらです」

一等兵に案内され船のもとへ向かう。

小船といっても帆が張れるくらいのものを用意してくれたようだ。

「荷物は特にありませんか？」

「はい、大丈夫です。

ありがとうございます」

一等兵と軽くやり取りをし、窓から手を降るガープに気づいて手を振り返す。

そして海へ漕ぎ出そうと船に手をかけたときだった。

「おっと手が滑ったァ」

悪意に満ちた声が響く。

と、同時にふわりとなにかがAの頬を横切った。

「っと、切られちまったか」

咄嗟に抜いた片方の両刃刀でAは見えないなにかを防いだらしい。

感触はあるもどうにも目視できない。

「おいおい、そんな可愛い眉間にシワなんか寄せたら取れなくなっちまうぜ？」

ヘラヘラと笑うサングラスの男はなんだか楽しげだ。

「誰ですか、何か用ですか？

見た感じ海軍の方では無さそうですけど」

Aがそう告げると相手の口角が一瞬下がった。

しかしまた貼り付けたような笑顔で口を開く。

「おいおい、冗談だろ。

さっきご挨拶しに来たのはどっちだ？」

ゆっくりと指を動かし始める男。

すると突然、抜刀した武器が男に引き寄せられる。

引っ張り返そうと腕に力を入れるもズルズルと武器と一緒にAも引っ張られる。

「なｯに、これ……！？」

「フフフ、どうした？

引っ張られたくないならその手を話せばいいじゃねーか」

「大事なものを"っ、手放すバカが！……どこにいるっていうんですか！」

「……じゃあせいぜい抗ってみるんだな」