-アンドロイド≠主従- 《俺足》

10，俺の生活は荒んでいた。 ページ10

遂に来てしまった月曜日。
まぁコイツのおかげで凄く休日が長く感じられたが。
何故こんなに疲れが溜まってる。

渉「行ってらっしゃいアナタっ。」

太「・・・・・気持ち悪っ、行って来まーす。」

酷いとかグチグチ言う渉に背を向け、会社へ向かう。
解放された喜びから、少しスキップ気味に歩いた。
そういえば渉は何時からバイト始まるんだろう。
明日、明後日。
というか何時の当番なんだ。
・・・・・どうでも良いや。
帰ってきてから聞けば良い話だ。




会社で昼休み。
仲良い人なんか居ないから一人でうどん屋さんへ。
そしてすぐに始まる午後の仕事。
パソコンを打ち続けるので精神が病みそうになる。
それと部長に飲み会に誘われた。
何故かこの俺、偉い人には好かれる。
だから同僚に『アイツは媚び売ってる』とか陰口叩かれるわけだが。
プレゼン、会議、そしてまたパソコンの前。
休むことなんて出来る訳もない。
ひたすら文を打って、上司からダメ出しを喰らい続けた。

太「・・・・・・疲れたな。」

手が止まる。
時間が経つ度にあんなに憂鬱だった家に帰りたくなった。
渉に会いたい。
思いっきり馬鹿にして笑い飛ばしたい。

太「アイツ大丈夫かな。」

一人にしたことへの罪悪感。
何でだろう。
人に会いたいなんて思ったこと無かったのに。
もしかしたら寂しいんじゃないかなー、とか。
もしかしたらさっきの言葉に傷ついてるんじゃないかなー、とか。
とにかく自分が頼られてると感じたくて妄想してみる。
時計の針はもう７時を過ぎていた。
帰りたい。
あの不思議な二日間を過ごして、家が恋しくなった。
あんなに家って温かかったっけ。
机に突っ伏す、ファイルが散らばり画面上に意味不明な文字列が浮かび上がった。
俺何でこんなことしてるんだろう。
何で俺の日常はこんなに腐ってるんだ。
今まで平気だったことがいきなり胸に来るようになった。
会社が辛い。
周りの冷たい視線。
キーボードを拳を握り、叩く。
情けなさと悔しさと何かよく分からないものが湧き出て来る。
普通じゃないじゃん、全然。
社畜、社会の犬。
そんなのに成り果てて友達を作らず生きて来て。
周りの良心すらも削り取って。
ファイルを元に戻し、編集画面に浮かび上がった文字たちを消す。
今日は残業もせず家に帰ることにした。
外は予報が外れて雨だ。
傘も持って来ていない。
灰色の空を見る。
吸い込まれそうだ、吸い込まれたい。
このままどこかに消えたい。

11，何故君はそこに居る。→←9，俺に休みを与えてくれ。

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