-アンドロイド≠主従- 《俺足》

9，俺に休みを与えてくれ。 ページ9

渉「たいちゃーん、散歩行こー。」

太「お前一人で行けよ・・・・・というかお前は職探せ。」

タウンページを前に設置する。
渉は不貞腐れた。
日曜日だから録り溜めておいたビデオを見なければ。
そういえばＤＶＤも今日が返却期限だ。
それならついでに他の作品も借りよう。
・・・帰り道にケーキ屋があったな。
ならそれも買っ

渉「分かったっ！俺そこにあるスーパー行ってくるっ！」

渉はコートを着てすぐに出て行った。

太「・・・・・。」

あれ、俺が着ていこうと用意してたやつなのに。




健「おかえりなさーい。」

太「・・・・・アイツは？」

健「えーとね、１時くらいに一回帰ってきてまた出てった。」

もう５時だぞ。
何があったんだ。
・・・・・心配させてくれるな、アイツは。

渉「ただいまっ！緊張したわぁー。」

レジ袋を手にしている。
透けて見える紙とおやつ。

太「おせーよ、どこほっつき回ってたんだ。」

渉「面接って怖いねー。」

ちょっと展開早すぎて意味分かんない。
何言ってんのコイツ。

太「お前、えっ？」

渉「ちょっと遠くのスーパーあるじゃん？あそこで働くことになった。」

耳を疑ってしまうような彼の発言。
発言てか、妄言？
まずコイツに履歴書なんかあるのか。

太「履歴書見せろ。」

スーパーの袋から履歴書を抜き取る。

-
名前：北山宏光
-

あ。




『俺が操作して、俺の履歴書持っていかせたよ。』

太「馬鹿じゃねぇのお前さぁっ！というか何でバイト行かせたこと知ってんのっ！？」

『えーとね、体内に盗聴器的なもの内蔵させといたからかな。』

太「嘘だろっ！？俺が渉にデレて《おやすみ》とか言って寝たのとか全部バレてるのかよっ！！」

『そうだったの？』

太「バレてなかったぁぁああっ！！」

机を叩く。
自分の部屋で電話に向かって叫ぶのがもう定番となっている。

『まぁ良いじゃん、バイトの時だけは北山宏光として働いてもらえば。』

電話が切れる。
そろそろ怒ってもいいような気がするんだ。




健「お風呂入ってくるねー。」

太「入浴剤入れるの忘れんなよ。」

家にある入浴剤はドラッグストアでもよく見る固形タイプの入浴剤。
あのシュワシュワーってなるの良いよね。
けど粉末タイプは濃さも好みで変えら

渉「俺ひのきが良いなぁ、良いなぁー！」

身体をゆらゆらさせながら健永にねだる。
そんな新参者が三人共有の風呂の香りを変えられる訳な

健「分かった！」

・・・・・・ハァ。

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