-アンドロイド≠主従- 《俺足》

40，急げ、彼らを救うために。 ページ42

『バックアップ取りました、今から転送します。』

『よし、俊哉。そろそろどうだ？』

『へへっ・・・俺を舐めんなよ、一応お前と同じ大学なんだからなぁ！』

『あともう少しで新ディスクと同じスペックになるな・・・健永はどう？』

『余裕余裕。俺だってね、優秀な生徒だったんだよ？』

『昔はねー、アハハ。』

『おい宮田ぁっ！真面目にやれこの鼻デカ豚野郎っ！！』

『裕太君酷いよぉ・・・。』



宏「とにかく急げよ？お前ら。」

周りを見回す。
二人の男の為、そして俺の為に動いてくれた皆。
俊哉は相変わらず、パソコン操作には慣れている。
元々パソコンは俊哉の方が上手かったしな。
裕太だって、元はと言えば人手不足から生み出されたアンドロイドだ。
機械音痴じゃ話にならない。
健永も久し振りの割には鈍っていない。
昔は黒髪で地味な奴だったのに、何時からこうなったのか。
そして高嗣は――

高「フレーフレー！皆っ！あそぉれっ！フレッフレッ皆！」

――応援だ。
要るかどうかは分からないが、まぁ高嗣がやりたいと言ったのでやらせている。
最後だ、Ｋ-１のチップを元にして改良できれば。
あとはデータ移行をするだけ。

宏「俺らには二人を助ける義務がある、分かってるよなお前ら？」

すると俊哉がパソコンを打ちながら答える。

俊「あぁ、勿論！」

裕太がエンターキーを格好良く押して答える。

裕「当たり前っしょ。」

健永がマウスを握り締めて答える。

健「そりゃあ分かってるよ。」

高嗣が目を泳がせて答える。

高「あっえっと俺は分かってないけど分かってるよ！」

息を合わせて、皆で言った。



「「だって俺らは、ＭＫＳ研究所の研究員だからっ！！」」




-



秒針が、迫る。
まだ遠いけど、確実に少しずつ迫ってきている。
俺の、終わりが。
そんなことを考えながらソファで寝ていると渉が俺の耳元で思いっきり叫んだ。

渉「寝るなぁっ！ほら太輔、散歩行こうぜ？」

太「デカい声出すな鼓膜破れるだろうが・・・。」

目の前に居たのは、普段の渉だった。
俺の為に何時もの自分に徹しているんだろう。
――ごめんな、こんな辛い思いさせて。

太「いや、今日は俺と二人で部屋でラブラブしようぜ？ワタちゃん。」

俺的にはこの部屋からなるべく出たくない。
俺の生きて来た時間が、フラッシュバックしてしまいそうだから。
お前に泣いてるトコなんて、見せたくねぇよ。

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